「不適切にも」プロデューサー ノークレームはテレビ局舞台ゆえ「今は混乱。描くの面白い」

 大きな話題を呼んでいるTBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜、後10・00)が、29日に15分拡大で最終回を迎える。大団円を目前に控え、本作を手がけたプロデューサーの磯山晶氏を直撃した。

 主な舞台の1つとなったのが架空のテレビ局「EBSテレビ」。主人公の市郎(阿部サダヲ)が令和でカウンセラーを務め、渚(仲里依紗)が勤務しており、セクハラやコンプラ意識、不倫報道やアウティングなどのテーマが局内で展開された。自身も勤める立場ゆえか、磯山氏は「テレビ局は面白いですね、今。描くの」とぶっちゃけた。

 「いままでは不徳の致すところで…」とクレームを受けることもあったが、今作では今のところなし。テレビ局が舞台となっていることは大きく「やっぱりテレビ局ってイジっても怒らない。だいたいクレームを受けて『不適切でした!』って謝罪している側。だから『こんなテレビ局はないよ!』って言う人はいないんだなって思います」と実感している。

 現在のテレビ局を一言で「混乱」と表現し、続けた。「昔みたいに、ザ・芸能界で、なんだかよくわからないスターがうごめく場所、みたいなこととは違うって、みんなわかってるじゃないですか?」。かつて視聴者からクローズな世界だったテレビ業界も今や過去。「忖度」「○○枠」「バーター」などの業界事情を視聴者たちが共有する時代となっている。

 「意外と派手に見えてがんじがらめなんだよ、ってことを受け手も投げ手も相互理解している。視聴者の知識が豊富だから『テレビ局が放送するの大変なんだろうな』とも思ってると思うんですよ、もはや。昔はお金使い放題、時間使い放題だったけど、そんなに楽しいだけじゃないんだろうなってことが染み渡ってるから描きやすいんじゃないですかね?」

 視聴者のリテラシーを逆手に取った自虐と皮肉をユーモアで味付け。時代にマッチしたテレビ局イジりがグルーブを生んだ。

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