オリ・ドラ8の根性男、小田裕也に期待

 甘いマスクに不釣り合いなくらい、「根性」という言葉が似合う選手である。

 オリックスのルーキー・小田裕也外野手。日本生命から昨秋ドラフト8位で入団し、8月から1軍に定着。打率・367、出塁率・415、1本塁打(8月20日時点)を記録している。

 日本生命時代は巨人・小林誠司捕手、ロッテ・井上晴哉内野手、吉原正平投手と同期。13年はドラフト候補4人衆として名を連ねた。しかし小田以外の3人が同年ドラフトでプロ入りしたのに対し、小田は指名漏れ。1年遅れて25歳でプロ入りした。

 ドラフトイヤー1年目を逃した悔しさは大きかった。しかし、同時に「目標よりも1年間、社会人を長く経験したが、それは無駄ではないことを示したい」と自らを奮い立たせた。

 さらに、担当の内匠政博スカウトも「小田と、同期の西野(真弘内野手)には『1年目から1軍の試合に出られなければ後はないと思え』と覚悟させている」と、社会人出身野手2人に1年目からラストイヤーの気持ちで挑むよう意識付けした。

 小田は入団当初から「僕には時間がないですから」と、レギュラーを奪う意気込みを見せていた。

 開幕は1軍で迎えたが、打席に立つことなく1カードで抹消。それから4カ月間を2軍で過ごした。そこで身につけたのがプラス思考だった。

 もともと、ネガティブ発想のタイプだったという小田。「今日は過ぎたらもう戻ってこないという思いを持って、一つ一つのプレーに気持ちを入れるようにしたら、走塁も守備も良くなった」と振り返る。

 同時期、同じルーキーの西野が1軍で活躍。その姿を眺め「彼の活躍はうれしい反面、うらやましさもあった」という。「でも西野が活躍することで自分も前向きな発想で取り組むことが多くなった」と、刺激に変えて練習に取り組んだ。

 8月5日に再昇格すると、即日1安打を放ち、間もなく1番でレギュラーに定着した。「1番はアマチュア時代からよく打っていたので。もっとも好きな打順。どんな展開でも、先頭打者が出れば流れが変わる。相手にプレッシャーを与えることができる」と、持ち味の足を生かし、チャンスメークする。

 172センチ、75キロと小柄だが、「プロ入りしてから体脂肪は落ちたが、体重は変わらない。筋力が増えたと思うので、それがパワーアップにもつながっている」と進化を続ける。

 チームはケガ人が続出し、開幕から低迷。しかし将来を担う若手にとっては、今こそ最大のチャンスなのだ。

(デイリースポーツ・中野裕美子)

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