【ファイト】アイドルとプロレスの二刀流・渡辺未詩 どちらが好きかと問われれば

 アイドルとプロレスラーの二刀流、渡辺未詩(25)=東京女子プロレス=が今春、プロレスラーとして頂点に立った。3月31日、団体としては2度目の進出となった両国国技館大会のメインイベントで王者・山下実優(29)を破り、最高峰のプリンセス・オブ・プリンセス王座を初めて奪取。6日・後楽園ホール大会で元王者・中島翔子(32)の挑戦を受ける初防衛戦を目前に控えた渡辺が、デイリースポーツに胸中を語った。

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 渡辺は両国大会を「人生最大で頑張る時だった可能性が高い」と思っていた一方で、「そこをピークにはなりたくない」とも考えていた。王座を奪取した今は「可能性とかいろんな夢が見えて来て、前向きに活動できている」という。

 戴冠後、初の試合が米フィラデルフィア遠征だった。既に情報を知っていた多くのファンから「コングラチュレーション!」と声を掛けられた。異国での祝福を受け、「私がチャンピオンだという戦いをしなければいけないという責任感」も芽生えてきたという。

 中島とは2021、22年のシングルトーナメントで対戦しており、21年は準決勝で敗れて、22年は準々決勝で勝っている。渡辺にとって「普段道場に行くと絶対に毎日会う。これだけ努力してる人って世の中にいるのかなっていうくらいものすごい努力家で、その背中を見て努力したい、努力できるように頑張ろうって育ってきたので。今では誰よりも、家族よりも会ってる存在。人生で一番尊敬している、尊敬しているところが多すぎる存在」だ。

 渡辺は「強かったり技術があるのは誰もが分かっている。先輩に対して言うのはアレですけれども、ずっと成長し続けている存在」という高く厚い壁である中島にタイトルマッチで勝つことが「人生で大きいこと。自信につながる」と位置づけている。「ベルトを譲るわけにはいかないし、私が(東京女子を)引っ張っていきたい。いろんな人に見てもらえる、東京女子を広げられるチャンピオン、誰かがプロレスを知るきっかけになるようなチャンピオンになりたい」と、トップの自覚をにじませた。

 渡辺は本来、アイドル志望で、現在も在籍しているアイドルグループ「アップアップガールズ(プロレス)」のメンバーとして、プロレスラーとして、「歌って踊って」と「戦って」の二刀流で活動している。同グループのオーディションを受けるまでは、プロレスを知らなかったという。

 「初めて東京女子を見た時は、やってみたい!思ったんですよ。入ってみて、過酷さだったり、強ければ勝てるわけじゃないとか、強いだけが全てじゃないとか、そういうプロレスの難しさとか分からなさとかに(直面して)、本来私アイドルになりたかったんだというのが増して。最初の頃はずっと辞めたいなという気持ちでなんとか続けてる状態で、そこから続けてるうちに好きになって、今では一番大切にしているものですね」

 プロレスはアイドル活動にもメリットをもたらしているという。

 「注目されたりとか、大きなアイドルイベントに出るとインパクトを残しやすいのでたくさん知ってもらったりとか、プラスにはなっていますね。これまでアイドルとプロレスっていう、すごい昔からいろんな人がやってきたことの、新たな挑戦ができていると思いますね」

 アイドルとプロレスとどちらが好きか質問されると、渡辺は「どっちもって答えちゃう」と言う。「自分の人生にアイドルがなかったらダメだなっていうのは何年も前から感じていて。今となってはプロレスがなかったらこんなにいい人生にならなかったなって思います」と、爽やかな笑顔で言い切っていた。(デイリースポーツ・藤澤浩之)

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 渡辺未詩(わたなべ・みう)1999年10月19日生まれ、埼玉県出身。2017年、4人組アイドルグループ「アップアップガールズ(プロレス)」のメンバーとして活動をスタート。18年、プロレスデビュー。元ソフトボール部の外野手で、パワーと強肩が武器。得意技はカナディアンバックブリーカー、レーザービーム、ティアドロップ。入場テーマは「チョコっとラブ ME ドゥー」。憧れは愛川ゆず季、指原莉乃。趣味はチロルチョコ集め、アイドルのライブを見ること。身長159センチ。血液型O。

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