今季初勝利ならずのロッテ・佐々木朗希 5回1失点の好投も物足りない躍動感

まだ五分咲きかー。1年前の躍動感あふれる投球フォーム(写真左)と比較すると、物足りなさを感じるロッテ・佐々木朗希=31日、ZOZOマリンスタジアム(撮影・開出牧)
ドジャースを含むメジャー8球団のスカウトの前で、気迫の投球を見せるロッテ・佐々木朗希=31日、ZOZOマリンスタジアム(撮影・開出牧)
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 まだ五分咲きといったところか。今シーズン公式戦初マウンドで5回1失点のピッチングを見せたロッテ・佐々木朗希投手(22)だ。

 31日の日本ハム戦(ZOZOマリンスタジアム)に先発。95球を投げ、5回6安打1失点7奪三振という内容。3回には満塁のピンチを迎えながらも気迫の投球で無失点に抑えた。ランナーを出しながらも要所を締めるピッチング。持ち前の制球力で大崩れしないところは怪物らしさを感じたが、去年の初登板と比べると、物足りなさを感じた。

 2023年4月6日の日本ハム戦(ZOZOマリンスタジアム)は6回1安打無失点、11奪三振。最速164キロをマークするなど何度もスタンドをどよめかせる圧巻の投球内容だった。その時に撮影した投球フォーム(写真左)と比べると、躍動感が違う。投げ終わった後の左手のグラブが頭の上まで上がっている。かじ取り役となる左手のグラブを最大限いかして投げていたことが分かる。

 躍動感と言えば、なんと言っても2022年4月10日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)の完全試合達成が、私の目に焼き付いている。われわれの想像を超える金字塔をうち立てたピッチングは、まさに圧巻だった。160キロを超えるストレートと140キロ前後のフォークボールで打者を圧倒する姿は、漫画の世界。回を追うごとに日本記録が更新され、完全試合達成の直前は、怪獣ゴジラでも出現するのではないかと思うような、球場全体が異常な熱気と興奮に包まれていた。あれから2年が経過したが、鮮明に覚えている。あの時も、左手のグラブが頭の上まで高々と上がっていた。

 怪物はまだ成長途上。最大出力に耐えうるプロの体になっていない。昨シーズンは指のまめがつぶれ、左の脇腹を痛め、度々、戦列を離脱した。今シーズンはケガ無く先発ローテーションを守ることが目標であり、そのためのピッチング、投球フォームを模索しているのだろう。

 ネット裏にはドジャースを含む8球団のメジャースカウトが視察に訪れていた。今オフにもメジャー挑戦を正式表明し、海を渡るのだろうか。応援しているファンが見守る日本のマウンドで、焦らずじっくり、大輪の花を咲かせてほしい。(デイリースポーツ・開出牧)

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