ロッテ・佐々木朗希が東北に届けた チーム一丸のパフォーマンス

 泣かせるパフォーマンスだった。今季2勝目を挙げたロッテ・佐々木朗希投手(22)だ。

 14日の対楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)の二回無死1塁、鈴木大地を真っ向勝負のストレートで二ゴロ併殺に打ち取ると、グラブをたたいて感情を爆発させた。よほどうれしかったのだろう。笑みもこぼれた。ネット裏で撮影していた私は、野手との一体感をにじませるパフォーマンスに胸が熱くなった。

 二回、味方のエラーでランナーを背負った。迎えるバッターは3試合連続で複数安打を記録している打撃好調の鈴木大地だ。一昨年は同球場で1試合“3被弾”を喫したが、そのうちの1本を鈴木に打たれている。初球はボールとなる外角のスライダー。そして2球目。打てるものなら打ってみろと言わんばかりに、158キロのストレートをど真ん中に投げ込んだ。気迫と球威が勝り、注文どおりの併殺で、楽天の反撃ムードを断ち切った。

 昨シーズンは故障で一度も立てなかったマウンドだ。出身地の岩手と同じく東日本大震災で被災した仙台だけに、応援にかけつけた地元のファンに活躍する姿を見せたい。3月10日のオープン戦(対ソフトバンク)に先発し、3回無失点5奪三振の好投。試合後は開幕3戦目の登板へ順調をアピールしつつ、翌日の「3・11」を迎える被災地へ「僕にできることは野球を頑張ることだと思う。一生懸命プレーして、自分の持っているパフォーマンスを発揮することが大事」と、思いを語っていた。

 160キロを超えるストレートこそなかったが、味方の援護点を背に7回3安打2失点7奪三振の好投で今季2勝目。まさにチーム一丸。一体感を感じさせるパフォーマンスを、東北のファンに届けた。スタンドの祝福に帽子を取って応える姿に、目頭を熱くしたファンもいたにちがいない。(デイリースポーツ・開出牧)

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