元世界王者の山中慎介氏 因縁ネリに複雑心境「1回のダウンにびっくり」も「差はあった」井上尚弥を絶賛も「仇をとってもらったとかはない」

 1回、ルイス・ネリ(左)からダウンを奪われる井上尚弥
 1回、ルイス・ネリからダウンを奪われた井上尚弥
 1回、ルイス・ネリ(右)と拳をまじえる井上尚弥(撮影・伊藤笙子)
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 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)

 34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われ、王者・井上尚弥(31)=大橋=がWBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=を6回TKOで下し、防衛に成功した。

 1回に井上がまさかのダウン。だが、2回以降は逆襲どころか、圧倒してみせた。試合を見届けた元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏は報道陣の取材に応じ、「1ラウンドのダウンは本当にびっくりした。ネリも1ラウンド目からいければいくという思いあったんでしょうけど」と振り返った。

 ただ、それ以降の展開については「ネリから仕掛けられたラウンドはほとんどなかった。だからこそ、差は見えましたし、ネリはいきたくてもいけないというのが見えた」とうなずいた。

 山中氏は17年、18年にネリに連敗して引退。17年にはネリがドーピング検査で陽性反応。18年には体重超過と“悪童”ぶりに振り回された。この一戦の開催が発表された3月の会見で、ネリが「私の間違いでキャリアを終わらせてしまったことは申し訳ありません」と謝罪し、握手を交わして和解していた。

 あらためてネリへの思いについて「ネリが受け終わるまでは、ネリというのは見たくなかった。あの時のことがどうしても蘇ってくるのは間違いないんで」と率直な思いを吐露。ネリとの因縁があるだけに注目もされたが、「自分自身、そういうので見られたくなかった。僕のことを思ってくれるのは嬉しいが、そこはちょっと仇を取ってほしいとか、取ってもらったとか、そういうのではなかった」とうなずいた。

 続けて、「ただ、すごい試合になりましたね。毎試合、毎試合、お客さんを満足させて帰る選手はいない。どこまでいくのかな」と井上の強さに脱帽。圧倒的な強さを示した王者に、「力の差はめちゃくちゃあった。初回にああいうことありましたけど。ネリもいけないんですもん。自分から仕掛けても当たる気もしなかったでしょうし。回をおうごとに差が開いていった。最後はなぎ倒すというか、ほんとうに強いな、感心させられる」と語った。

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