阪神・岡田監督が説き続ける「普通」衰えない野球勘 ヤギの“秘食”笑って食べ「元気になるんやろ?」表れた人間性

 阪神は29日に東京ドームで巨人との開幕戦に臨む。球団史上初の連覇へ向かう岡田彰布監督(66)は沖縄キャンプ中、〝癒やしの場所〟へ5年ぶりに通った。

  ◇  ◇

 日本一を達成しても岡田監督は変わらない。オフは数え切れない祝福や厚遇を受けた。それでも浮ついた様子は一切ない。グラウンド外でも、昨季選手たちに説き続けた「普通」だった。

 オープン戦の遠征中。数年ぶりに訪れた店で店主から「もう一生、会えないと思っていました。雲の上の人になったから」と言われると、こともなげに言い、笑った。

 「なに言うてんねん。なんも変わらへんわ」

 沖縄キャンプ中は5年ぶりに“癒やしの場所”へ通った。以前から恩納村に行くと必ず通う飲食店がある。沖縄出身の陽気な店主とは一緒にゴルフするほど意気投合。だが、店主は19年10月に40代で亡くなった。「もう一回、ユニホーム姿が見たい」と言い続けた「岡田ファン」と突然の別れ。以後、店は休業した。

 だが、今春キャンプ中のある日。岡田監督は外出先で同店が営業再開し、店主の奥さんも勤務していることを知ると、帰り道に店をのぞいた。

 以降は休日などに足を運び、貸し切りでも利用した。奥さんのサプライズでメニューにはない、沖縄で食べられる「ヤギのキン○マ」の刺し身が出されたことも。普段なら特異な食べ物は口にしないが、「元気になるんやろ?」と笑って食べた。言葉で表現しなくても、人を気遣う性格が表れていた。

 健康面も変わらない。今年は膵臓(すいぞう)の数値にわずかな異常があったが問題はなく、66歳とは思えないほど元気。遠征先では好物の牛肉を5日間で3度も食べた。ステーキはいつもサーロイン。胃袋も健在だ。

 陽子夫人は「家では『え、まだ寝てるの』というぐらい寝てることもあるし、『しっかり寝られる』って言ってますね」と言う。岡田監督は「そら、年齢的な衰えはあるで。年相応に老いたらええわ」と話すが、体力面に不安は感じさせない。

 もちろん、野球勘も変わらない。常にマイナス思考の指揮官。「そんなうまいこといかへんって」。ほぼ苦しむことなく頂点まで駆け上がった昨季のような展開は全く想定していない。開幕ダッシュ失敗も想定して、連覇へ策を講じている。

 むしろ、チームがさらに進化するためには苦境が必要と考えている。成長を続ける選手たちの話題になると冗舌になるが、冷静に「負けから学ぶことがある」とも言う。

 岡田監督の根本は何も変わっていない。27日は都内の焼き肉店でコーチと決起集会を開催。開幕と同時にスイッチを入れ、契約最終年も「普通」にタクトを振る。(デイリースポーツ・西岡誠)

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