韓国・宣銅烈監督 米目線の韓国「ただ、日本の繊細な野球忘れてはいけない 」

 「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017、日本-韓国」(16日開幕、東京ドーム)

 「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」が初采配となる韓国代表・宣銅烈監督(54)がデイリースポーツのインタビューに応じた。日本代表・稲葉篤紀監督と同様に20年東京五輪まで指揮を執る宣監督が代表の現状、日本野球への思いを語った。

  ◇   ◇

 -今大会の意義をどう感じるか。

 「私の代表監督として初めての大会になるが、24歳以下の選手の大会をやるのは素晴らしい趣旨。それぞれの国の未来を担う彼らが今大会で経験を積み、力を付け、宝となる」

 経験は今の韓国代表にとって重要なキーワード。来年のアジア競技大会も、社会人中心の日本に対して韓国はプロ選手で臨む。

 「東京五輪へ台湾と韓国は(19年)プレミア12でも好成績を挙げないといけない。今回出場の選手たちがアジア大会、東京五輪へさらに成長してほしい」

 日本にとって最強のライバル・韓国。しかしWBCでは13年、17年と2大会連続1次リーグ敗退。宣監督は代表立て直しを担う。

 -野手は数々の高卒新人記録更新の李政厚(父は元中日・李鐘範)ら有望株もいる。

 「李政厚は新人ながら活躍し、将来性も高い。ただ私が心配しているのは投手力が非常に弱いということだ」

 -10月12日の会見では注目選手として張現植、咸徳柱の2投手の名前を挙げた。

 「短期決戦は投手力が必要。張現植、咸徳柱は今年に入って大きく伸び成長した選手。大いに注目している」

 課題は投手力。日本との現状の力の差をどう見ているか。

 「投手力だけを見ると日本の方がはるかに上だと思う。韓国は野球インフラが非常に弱く、高校野球のチーム数が70に満たない。大学、社会人のチーム数は36。対してプロ野球が10チームで、選手の供給がうまくいっていない。だから良い投手が出てこない。ここは早く改善しないといけない。その面で日本がうらやましい」

 韓国はアメリカ型の野球をモデルとしてきたが宣銅烈監督は「韓国は日本からたくさんのことを学ばなければいけない」と話す。

 「韓国の選手や野球協会はアメリカに目が向いているのが現状。ただ、日本の繊細な野球を忘れてはいけない。韓国代表監督として、それを選手たちに周知させ、アドバイスしたいと考えている」

 トップ選手が海を渡り、国際大会でメジャー組招集は難しい状況となった。国内リーグの選手強化は共通の課題。その中で、現役時代の対戦もある宣監督と稲葉監督は20年までの指揮を託された。

 「私は速球タイプの投手だったが稲葉さんは速球に強く、よく打たれた記憶がある。選手として良い印象を持っている。一番やりにくい打者だった」

 2人の対戦は96年が5打数2安打1本塁打。ただ、97年以降は5打数無安打と宣監督に軍配が上がった。指揮官としての対戦は、どのような結果となるか。永遠のライバルといえる日本と韓国。東京五輪まで続く戦いが、16日に幕を開ける。

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