安仁屋宗八氏 衣笠氏訃報に「鉄人なんだから元気でいてほしかった」

 プロ野球広島で活躍し、2215試合連続出場で「鉄人」と呼ばれた衣笠祥雄氏が23日、上行結腸がんのため亡くなった。71歳だった。デイリースポーツ評論家で広島カープOB会長の安仁屋宗八氏は24日、かつての盟友を悼んだ。

  ◇        ◇

 サチよ、あまりにも早いんじゃないか。体調が悪いのは聞いていたけど、まさかと耳を疑った。年齢もワシよりも2つも下だろう?そんなに早く逝くなんて、ちょっと順番が違うんじゃないか。

 豪快な男だった。入団1年目から水色の大きなフォードに乗っていた。ある日、合宿所で白石監督の小さな国産クーペに横付けし、白石監督から「なんで監督よりもでっかい車に乗ってるんだ!」と怒られてもサチは平気な顔をしていた。

 入団時は捕手だったのでワシもバッテリーをよく組んだ。ある試合で阪神の和田徹という選手に本塁打を打たれた。京都出身で高校まで阪神ファンだったサチがニヤっとしたように見えたので、「まさかお前、サインを教えたんじゃないだろうな」と冗談めかして文句を言ったことも懐かしい思い出だ。次の日、サチは村山(実)さんからプロ1号。記念のペンダントを自分で作って首からうれしそうにぶら下げていた。

 三塁転向後はエラーが多くて、しばしば足を引っ張られた。「お前のおかげで何勝損してると思っているんだ」とワシが小言を言うと、「安仁屋さん、エラーには目をつぶってくださいよ。必ず打って取り返しますから」と言い返された。

 人一倍、練習熱心で遠征先でも試合後、宿舎に戻ると、よく部屋の中でバットを振っていた。いつも一匹狼で、現役時代はグラウンド外ではほとんど付き合うことはなかったけど、見かけのイメージとは違い、誰に対しても優しかったし、とても紳士的な話し方をする男だった。

 “鉄人”と呼ばれた男なんだから、いつまでも元気でいてほしかった。これからもOBの1人として、天国からカープの3連覇と日本一を見守ってほしい。

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