石岡一・岩本 九回2死まで完璧投球も…最後は無念の悪送球

 「選抜高校野球・1回戦、盛岡大付属3-2石岡一」(25日、甲子園球場)

 1回戦3試合が行われ、山梨学院が大会最多タイの24安打、戦後最多の24得点で札幌第一に大勝。“山梨のデスパイネ”の異名を持つプロ注目の3番・野村健太外野手(3年)が、大会タイ記録の1試合2本塁打を含む3安打5打点の活躍で記録的猛攻を呼び込んだ。龍谷大平安は延長十一回の激闘を制して津田学園を撃破。盛岡大付は延長十一回サヨナラで石岡一を下した。

 勝利への執念は届かなかった。延長十一回1死満塁のピンチ。石岡一の岩本大地投手(3年)はフルカウントから狙い通りの内角直球で詰まらせ、ボテボテのゴロが目の前に転がったが…。「リリースした瞬間、やばいと思った」と悔しさをにじませた。

 本塁併殺を狙った送球は一塁側にそれバックネットに当たった。相手の歓喜が聖地に満ちていく中、その場に座り込んだ岩本。九回2死まで完ぺきな投球だったが、3本の集中打を浴び2点リードを追いつかれた。

 その先に待っていたのは無情の結末。「全国の強豪に勝つため」と試合へ向かうバスの中で、昨夏の甲子園で活躍した金足農・吉田輝星投手(現日本ハム)の映像を見直した。

 同じ農業系の高校出身で目標とする右腕のように-。直球を主体に11三振を奪い、身につけた投球術は「全国の強打のチームも抑えられる」と手応えも得た。21世紀枠で初出場をかなえたエースは、大舞台での170球を糧に「結果を残せるピッチャー」を目指していく。

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