元阪神ドラ1・藤田太陽さんは社業も野球も全力投球 営業とヘッドコーチを両立

 プロ野球を引退して5年半。元阪神ドラ1の藤田太陽さん(39)は挑戦を続けている。

 阪神、西武、ヤクルトと渡り歩き、ユニホームを脱いだのは2013年。スポーツバー経営を目指し飲食店で修業を積んだが、縁あってオーガニック食品の輸入販売事業などを手掛ける企業に入社。15年12月からは富山に拠点を置くロキテクノベースボールクラブ(RBC)に投手兼コーチとして所属し、東京と富山を往復しながら野球を続けてきた。

 「レベルもやる気も中途半端なチームだったんです。だから『本気で勝ちたいと思っていない選手は辞めてもらっていい』と言いました。厳しい練習をしましたし、ミーティングも数えきれないくらい。プロに入ったときの野村(克也)監督の影響が大きいですね」。昨年、全日本クラブ野球選手権本戦に初出場を果たすなど、着実に成果を上げている。

 RBCは近い将来、企業チーム登録も視野に入れている。「会社のため、選手のため、より近いところで指導したい」と考えた藤田さんは、今年2月1日付で転職し、RBCを運営する株式会社ロキグループの社員となった。同社はグループ会社を管理統括しており、傘下には産業用精密濾過(ろか)フィルターなどを製造する株式会社ロキテクノや、ヨーロッパ各国のデザインギフトを輸入販売する株式会社トロイカジャパンなどがあり、コンシューマー事業にも力を入れている。藤田さんはプロ球団に足を運び球団オリジナルグッズの提案なども行っている。

 「営業では必ず“宿題”をもらって次の交渉につなげています。球場では実際にスタンドに座ってみたりして、ファン目線を大切にしたグッズ提案を心掛けていますね」

 野球では都市対抗本戦出場とプロ選手輩出が目標。自身が“生きた教材”であり続けるため、日々の努力は怠らない。今季はヘッドコーチに就任したが、投手登録はそのまま。今も140キロ台中盤の球を投げられるというから、登板する可能性も残されている。

 「プロフェッショナルなコーチになりたいんです。言葉と体の両方で説明できる指導者でありたいですね」

 社業も野球も全力投球。その姿勢はプロ野球選手時代と変わらない。(神戸新聞特約記者・岡部充代)

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