高松商 23年ぶり20度目の夏切符!阿部が旧友打ちでサヨナラ決めた

 「高校野球香川大会・決勝、高松商2-1英明」(28日、レグザムスタジアム)

 香川大会は、高松商が英明をサヨナラ勝利で下し、23年ぶり20度目となる夏の甲子園出場を決めた。1-1の同点で迎えた九回に安部祐慧捕手(3年)がサヨナラ打を放ち試合を決めた。エース・香川卓摩投手(3年)が9回1失点完投。高松商は今春のセンバツに続く甲子園出場となった。

 興奮が隠しきれない。あまりにドラマチックな勝利に顔は紅潮している。「すごいわ…」。歓喜する選手へ視線を送りながら、わずかな間、高松商・長尾健司監督(49)が劇勝の余韻に浸る。緊迫した展開の末に飾ったサヨナラ勝利。23年ぶり20度目の夏切符だ。

 ワクワクした。1-1の同点に追い付かれた直後の九回。2死一、二塁で安部が打席へ。マウンド上には、幼なじみでもある英明エース・黒河竜司投手(3年)がいた。「負けない気持ちで」。決死の思いで放った打球は、右中間への強烈なライナー。「(対戦は)楽しかった」。打球が芝に弾みサヨナラ打となったことを確認すると、ガッツポーズを繰り出した。

 良き友でもある。安部と黒河は、小学生時代に「屋島野球スポーツ少年団」で共にプレー。安部は「(黒河の)両親に釣りに連れて行ってもらったこともあります」と懐かしむ。屋島中時代はバッテリーも組んだ仲。その後、別々の高校に進み同じ甲子園を目指すライバルとなった。

 何とか間に合わせた。黒河が昨春のセンバツに出場した一方、安部は2年夏に右膝を負傷。以降、ブルペン捕手を務めながらリハビリを重ねてきた。

 「最後の夏で出られるようになり、決勝で勝つことを考えていました」。今大会から背番号「11」で復帰し正捕手に。この日は、九回にスクイズで同点に追い付かれたが、エース・香川=丸写真=をリードでけん引。9回1失点完投へ導いた。

 今春センバツに続く甲子園出場を決める一打を放った安部に、長尾監督は「よくやってくれました」と目尻を下げた。ただ、すぐに「全国大会で簡単に負けて帰ってこられない」と気を引き締める。

 託された思いを無駄にはしない。試合終了後、両チームの整列が解ける際に声を掛けられた。「黒河から『頑張れよ』と。『ありがとう』と言いました」と安部。たどり着いた夏の大舞台。共に汗を流してきた仲間の分まで大暴れする。

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