広島商、3年生リレーで逃げ切った エース倉本から中尾へ

広島商先発の倉本(撮影・飯室逸平) 
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 「高校野球広島大会・決勝、広島商10-7尾道」(29日、マツダスタジアム)

 広島商は先発した倉本裕翔投手(3年)と中尾要一郎投手(3年)の継投で逃げ切った。倉本は六回に6失点したもののリードを守り抜き、七回から登板した中尾は3回無安打無失点と完ぺきな投球を見せた。1957年の創部後、初めて決勝に進んだ尾道は春夏通じて初の甲子園出場はならなかった。

 九回2死。最後の打者を遊ゴロに打ち取ると、中尾は力強く拳を握った。「絶対にリードを守るんだという気持ちでマウンドに立っていた」。点差はわずか3点。追い上げる尾道を振り切り、甲子園への道を開いた瞬間だ。

 10-7の七回から出番が来た。昨秋に荒谷監督の勧めで横手投げに変更したフォームで力強く投げ込む。上手投げの時よりも球速が5キロアップした直球は威力十分。「きょうは球の切れが良かった」。硬いマツダスタジアムのマウンドも苦にせず、投げ切った。

 先発した倉本は六回に6失点。「変化球のときに腕が振れなかった」と振り返った。それでも気持ちを切り替えながら右腕を振り、逆転を許さなかった。

 6月に大阪桐蔭を広島に迎えて招待試合を行った。3-6での敗戦後、ベンチ裏で荒谷監督の言葉がナインを奮い立たせた。「このままだとダメだ、と。春季広島大会で優勝して緩みがあった。あれがチームの転換点」と山路祥都捕手(3年)。感情に訴えかける本気の表情も選手を変えた。

 「甲子園では、仲間を信じて腕を振りたい」。倉本は力を込め、前を見据えた。堅い守備がチームの持ち味。攻めの投球を貫き、全国の猛者たちに立ち向かっていく。

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