オリックス岸田 朴賛浩に怒られて変化「俺が打たれたら終わりなんだと」【一問一答2】
オリックス・岸田護投手(38)が20日、京セラドーム大阪内で会見を開き今季限りでの現役引退を表明した。
-引退を決断したのはいつ?
「引退するだろうなと思ったのは、今年は途中ぐらいからありましたね。ケガでまともに投げられなかったし、実際、試合で投げてなかったので。やればやるほど、突き詰めれば突き詰めるほど深みにはまっていくし、それでも、やりたい、やりたいという気持ちは抑えられないし。本来、キリのいいところがいいんでしょうけど、どこかで自力で決めないといけないと思っていたので、それが今年だったな、と。それがシーズン途中から心にはありましたね」
-家族に伝えた時期は?
「言葉に出して言ったのは9月アタマでしたね」
-まだやれる、という思いもあったのでは?
「いや、まだやれたのに…やれないですね。やれる、というのは心のどっかで思ってても、また違う自分が、それは過信やで、と思ってましたから。ここまでやらしてもらっただけでもありがたいというレベルと思います。若い子の球を見てると、今のボクとレベルが違う球を投げているので。そこは引き際ですね」
-あらためて14年の現役を振り返って。
「ケガばっかりしてきましたね。開幕にいたのも半分ぐらいじゃないですかね。キャンプでずっとケガするんでね。それがあったから、ここまで体と向き合ってできたかなと思いますけど」
-オリックス一筋。出て行くチャンスもあったと思うが。
「それはなかったんですけどね。そんなになかったですし、入った時から出るつもりはなかったです。オヤジに言われましたから。入る時に、ここで終われ、と。そう言われて入ったおかげで、あまり考えませんでした。エラそうに出られるような、そんな感じもなかったし、ここまでずっとやれて良かったと思います」
-父からその理由は聞いてますか?
「理由?言ってなかったですね。きょう聞いてみます」
-今、チームに足りないものは何だと思いますか?
「足りないものっていうのは、ボクは感じないですけど。12球団見ても若いチームなので、ここからいろんなことを経験して、みんな切磋琢磨していくでしょうから、自然とみんながまさに目標とするところが一つになっていくと思うので、心強い後輩たちだと思います」
-影響を受けた投手はいますか?
「いっぱい、いますね。ほとんど先輩を見ながら1年目から、こうしたほうがいいとか、ああしたほうがいいとか思ってやってましたので。この人が、というよりほんとにみんなにいろんなことを聞いたな、と思いますけど。まあ吉井さん、川越さん、菊地原さん、大久保さんとか。言い出したらキリがないですけど。あと朴賛浩さんには怒られたことがあります。パクさんが投げた試合で、ボクが抑えで逆転負けしたんですけど、その時、すいませんと言ったら、なんで謝るんだ、みたいな。おまえで負けたら仕方ないんだみたいに。そういう心得というか、それを思い出しますね」
-朴賛浩のその一件から変わった?
「成績ですか?気持ちですか?変わりましたね。その時はぐっと来ましたから。そうだよね、自信持っていかないと、俺が打たれたら終わりなんだ、堂々としておこうと。その後は、謝らないです。心のなかではゴメン、と謝ってますが、堂々としておこう、と」
-球団に引退を伝えた時期は?
「9月アタマですね」
-次のポストは?
「ほんと分からないんですよ。少しでも恩返しというか、力になれればいいなと思います」
-指導者を希望しているか?
「そうですね。昔は全然そんなこと思ってなかったですけどね。トシを取るとそういう気持ちも出てくるんですね、少しずつ。まだ若いんですけどね。若ないか(笑)。すいません。最後、優等生じゃないと何か…優等生みたいな答えばっかりで。おもろいことを言おうかと思ったけど、ここ座ったら全然浮かばへん」
-田口コーチや選手の顔を見て、涙危なかった?
「4人の顔を見ないようにしてたんですよ。最後まで抑えましたけど。最後笑って終わりたいですね」
-ケガを乗り越えてきた。
「ケガがほんと多かったですね。特に下半身のケガが。内転筋は10回ぐらい肉離れしてます。左ハムも肉離れ。右足首(と聞こえました)靱帯(じんたい)も切っているし。両足首も痛めたし。そこから体重は考えるようになりました。重くすると負担が大きいし、軽くすると球が弱いし。トレーニングは結構突き詰めてやりました」
-佐藤達也広報から花束のサプライズ。
「サプライズすると言ってたんですけど。全然感動しなかったですね」
-今後は家族サービスも。
「これまでよりやってあげられると思います」