１７日開催のＮＰＢドラフト会議が目前に迫ってきた。大船渡・佐々木、星稜・奥川ら高校生の逸材が目立っているが、大学・社会人にも隠れた逸材はそろう。

　日体大・吉田大喜投手（４年・大冠）は好投手がひしめく首都大学リーグでも屈指の剛腕だ。自慢の真っすぐは大学で一段と伸びた。最速は１５０キロ超に到達。球速以上に意識するのは質だ。「高校のときもスピードは出ていたんですけど、バラツキがあったので。バラツキというのはすごい減ったと思います」

　強みが明確となったのは、今夏の経験にある。侍ジャパン大学代表選考合宿で直球の回転数を計測し、プロでも上位の２５００回転をたたき出した。代表入り後の日米大学野球選手権でも「ストレートというのはけっこう通用した」と手応え。自信がついた分、配球に大胆さが生まれた。

　大学の１学年上に松本航（現西武）、東妻（現ロッテ）がいたことも成長を助けた。特に松本航からは「作業のように自分のやれることを全部やって結果がついてくる」という考え方を吸収。試合前のブルペンを“初回”と捉え、最高の準備を経て試合に臨む。

　先発に加え、大学ジャパンでは救援も難なくこなした。今秋リーグ戦で初完封も飾り、課題のスタミナ面も克服気配。辻孟彦コーチ（３０）は「コントロールが松本（航）よりも上なので。１試合で考えたら相当完成度が高い」と称える。

　高校時代にもプロ志望届を提出したが、指名漏れと悔しさを味わった。「できるだけいいところを見せて順位を上げられれば」。上位指名を勝ち取って、４年前の雪辱を果たしてみせる。