【第2の人生へプレーボール】寺原隼人 沖縄からNPBへ…指導者として追う夢

 紆余(うよ)曲折の18年間が、新たなスタートに続いていた。沖縄から将来のNPB参入を目指す新球団、琉球ブルーオーシャンズのコーチに就任。「自然な形で決まって…」。これまでと変わらない穏やかな表情で、寺原隼人(36)は経緯を切り出した。

 4球団が1位指名で競合した01年度ドラフトの目玉。世代屈指の剛腕だった男は、ダイエーを皮切りに、横浜、オリックス、ソフトバンク、ヤクルトと、さまざまなチームに身を置いた。ケガも、FA移籍も、トレードも、戦力外も体験した現役生活。先発、中継ぎ、抑え。必要とされた役割で腕を振り続けてきた。

 「いろんな球団に行けたのは、他の選手がなかなか経験できないこと。すべての(投手の)ポジションもやらせてもらえたのも、いい思い出」。ヤクルトに加入した今季は2勝。シーズン途中からは故障もあり「なかなか思うような投球ができなかった。未練なく終われた」とすっきり現役に別れを告げた。

 琉球球団の小林太志社長は、横浜時代のチームメートで同級生。自然な形で決まった指導者としての出発は、さまざまな場所で、飾らない人柄が紡いだ縁がもたらしてくれた。

 産声をあげたばかりの球団。だからこそ、酸いも甘いもかみ分ける選手生活を送った寺原が、貴重な存在になるのは間違いない。「今までの経験がプラスになるように、しっかりやっていかないと。初めてのことなので、多少の不安はありますよ」。そう責任を口にした後「NPBに行けるような選手が現れたら、教えている方も、うれしいでしょうね」とほほ笑んだ。選手に寄り添い、南国から次の夢を追う日々が始まる。

 ◆寺原 隼人(てらはら・はやと)1983年10月9日生まれ、36歳。宮崎県出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。日南学園から2001年度ドラフト1巡目でダイエー入団。07年に横浜(現DeNA)移籍後、オリックス、ソフトバンク、ヤクルトに在籍。今季限りで現役引退。19年11月に琉球ブルーオーシャンズの投手コーチ就任が発表された。通算成績は303試合73勝81敗23セーブ12ホールド、防御率3・88。

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