巨人 今年こそ“二塁手問題”解消なるか レギュラー候補が挑む高い壁 内田順三氏が解説

 プロ野球のキャンプインが目前に迫ってきた。連覇を狙う巨人で毎年のように課題として挙がるのが“二塁手問題”。昨季は吉川尚輝、若林晃弘ら複数の選手が守ったが、固定されるまでには至らなかった。

 二塁のレギュラーが長く不在のチームだが、ポジションを完全につかみ取るには何が必要か。昨季まで巨人の巡回打撃コーチを務めていた内田順三氏は「1番打者としてどれだけ活躍できるか。7番を打つようでは代打を出されることも多いだろう。候補は何人かいると思うが、共通して言えるのは1番としていかに出塁率を上げられるかだと思う」と指摘した。壁は高いが、それだけ絶対的な力が必要ということになる。

 昨季は坂本勇、丸、岡本へとつなぐ1番の固定に苦しんだ。最終的にはベテラン亀井が務めたが「亀井も攻撃的でいい選手だが、足のある選手を1番に置いて、動かす野球がベンチの理想。一塁に出塁すれば単打で一、三塁の状況も作りやすいし、相手投手は縦の変化球を投げにくくなり、後続の打者が狙い球を絞りやすくなる利点もある」という。

 候補に挙がるのは1軍のキャンプメンバーに名を連ねる吉川尚、若林、田中俊太、山本泰寛の4選手。その中でも、最有力は吉川尚だろう。昨年は「1番・二塁」の開幕スタメンを勝ち取ったが、腰痛で離脱。打率・390の成績を残しながら、11試合の出場に終わった。

 過去3シーズンともけがに泣いており、コンディション面の維持が最大の課題。ただ、内田氏は「体の強さはないが、守備力は広島の菊池涼に匹敵する。菊池涼は前のダッシュが素晴らしいが、吉川は横の守備範囲が広い。打撃も広角に打てるし、足も魅力」と、そのポテンシャルに期待する。

 他の3選手も長所を伸ばし、課題を解消することが求められる。若林は、内田氏が「スイッチヒッターで使いやすさがある一方で、体力がなくて全体的にひ弱さを感じる」と語るように好不調の波の大きさが欠点。田中俊は「逆方向にも打球が飛び、パンチ力がある」ものの、昨季の出塁率・285は物足りない。山本については「巨人では貴重な泥くささを備えた選手でけがも少ない。ただ、脚力が(他の3選手より)乏しいから打力がもっと上がってこないと厳しい」とした。

 篠塚和典や仁志敏久のような正二塁手は出現するのか。「彼らにとって、今年は重要なシーズン。レギュラーか便利屋か。自分でつかみなさい、ということだよね」と内田氏。し烈なアピール合戦に、注目が集まる。

 ◆内田 順三(うちだ・じゅんぞう)1947年9月10日生まれ、72歳。静岡県出身。現役時代は左投げ左打ちの外野手。東海第一から駒大を経て、69年度ドラフト8位でアトムズ(現ヤクルト)入団。75年日本ハム移籍。77年広島に移籍後、82年限りで現役引退。通算成績は950試合485安打25本塁打182打点、打率・252。83年以降は2019年まで広島、巨人で1軍打撃コーチ、2軍打撃コーチ、2軍監督などを歴任した。

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