プロ野球 主流となった「攻撃的2番」が与える効果 内田順三氏が解説

 プロ野球はオープン戦が終了。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕は延期となったが、各チームの“構想”は見えてきた。攻撃では2番に強打者を配置するチームが増加。その狙い、効果はどこにあるのか。デイリースポーツ・ウェブ評論家・内田順三氏(前巨人巡回打撃コーチ)に聞いた。

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 昨季は巨人で坂本、DeNAでは筒香も打って、2番のイメージは大きく変わってきている。かつては1番が出て2番が送るというのが当然の策。中日や巨人でプレーした井端のように右打ちもうまく、しぶとく嫌らしい2番も相手からすると厄介だったが、今の時代は初回、簡単に送りバントをする野球ではなくなった。

 巨人では昨季2番・坂本が優勝の原動力となったが、今年はヤクルトでも山田哲が2番に起用されそうで、DeNAでもラミレス監督がオープン戦でオースティンを試している。大リーグの影響もあって、「攻撃的2番」が主流になっている。

 効果が最も期待できるのは初回にある。野球は先に点数を取った方が勝つ可能性が高まるが、投手の立ち上がりを攻めてビッグイニングを作りたい。シーズンを通して、好打者をたくさん打席に立たせてパフォーマンスを上げ、チームの得点能力アップを期待している面もあるだろう。

 巨人でいえば坂本、丸、岡本の並びは今年も相手にとって脅威になる。1、5番に左打者を置いて左右のジグザグに並べることで、相手にとって終盤の継投も難しくなる。

 阪神でいえば2番は近本になりそうだが、足の速いタイプは併殺の可能性も少ないし、出塁すれば相手バッテリーに盗塁を意識させることができ、次打者以降の配球も絞りやすくなる。

 メジャーからの「フライボール革命」の影響もあって、科学的に打撃フォームの分析なども行われる時代。野球が進化を遂げるなか、「攻撃的な2番」も含めてどれだけ相手にプレッシャーをかけられるか。初回の攻防はやはり、勝敗のカギを握っている。

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