ロッテ・和田康士朗が支配下登録 甲子園目指さず異色の経歴「まずは足で貢献」

支配下選手登録となった和田(球団提供)
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 ロッテは1日、育成選手の和田康士朗外野手と支配下登録契約を結んだことを発表した。年俸は420万円で、新たな背番号は63。2017年度育成ドラフト1位で入団した俊足巧打の外野手は、異色の経歴を持つ選手として注目を集めていた。

 それはプロ野球選手の誰もが通ってきた、“甲子園への道”とは別のルートを歩んでのプロ入り。小学4年から野球を始めたが、中学2年でいったんは断念。埼玉・小川高では陸上部に所属した。

 それでも野球への思いをあきらめきれず、再度、バットを握ることを決断。だが同校は部員が少なく、和田は高校生ながら硬式クラブチームに加入した。卒業後はBC・富山でプレーし、育成ながらプロ入りという夢をかなえた。

 昨年はファームで結果を残し、イースタン・リーグで2位タイの23盗塁をマーク。今年のオープン戦でも快足を存分に生かしたプレーを見せた。見事に支配下登録を勝ち取り、和田は「うれしいですしホッとしています。両親に感謝の気持ちを伝えたいです」と球団を通してコメントを寄せた。

 さらに「ここまでの道のりはとても長く感じ、心が折れそうになったこともメチャクチャありました。母に電話をして相談をしたこともありました。母からは『悔いのが残らないようにやりなさい』、『中途半端にだけはならないようにしなさい』と励ましてもらい、その言葉がこれまでの自分の支えでした」。異色の道を歩みながらも、強い意志で数少ないチャンスをつかみ取った。その原動力となった家族の支えに感謝しつつ、視線を新たなステージへと向ける。

 「自分のアピールポイントは足だと思うので、まずは足でチームに貢献をしたいと思っています」と力を込めた背番号63。松本球団本部長は異色の経歴を持つ男に対し「彼は足で支配下まで這(は)い上がっていた。育成の選手に夢を与える。獲得した時にも『この足はなかなかいない』ということだった。よく頑張って支配下になってくれた」と称賛を惜しまない。

 井口監督は「和田は自分の力で支配下選手契約を勝ち取りました。彼の一番の魅力は足。十分に1軍戦力として貢献してもらえると思っていますし、だからこそ、この開幕前の時期に支配下選手契約にしてもらいました。打撃も豪快で非常に面白い。6月2日から始まる練習試合でアピールをして次は開幕1軍の切符を手に入れてほしいです」とエールを送った。

 高校生なら甲子園への道、大学生であれば神宮への道を歩むのが王道だろう。だがまったく別のルートからプロの支配下を勝ち取った和田の存在は、将来のプロ野球選手たちへ大きな可能性を示したことになる。

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