「高校野球徳島大会・１回戦、城南１４－１阿波西」（１８日、ＪＡアグリあなんスタジアム）

　部員６人の阿波西が池田から２年生部員４人を借りて出場し、初戦で涙をのんだ。

　初回、先頭・池田の田中那音内野手（２年）が外野の前進守備の頭を越える三塁打を放つと、阿波西の主将・井澤翔音捕手（３年）が左前に運び先制点を奪った。しかし先発の笠井大誠投手（３年）が二回２死から、失策も絡んで７失点。緊張からかボール球が多く「固くなった。もっと仲間を信じて投げられたはず」と、最後の夏を悔やんだ。

　５回コールドで敗戦後、佐藤豪監督は「３年生は人数が足りない中でも、やめたい、と一度も言わなかった。生徒がいるから大会に出られる。感謝の気持ちでいっぱい」と感無量の表情。球場を訪れた池田の井上力監督も「両チームの思いを一つにして取った、非常に意味のある１点」と、戦いを終えた部員たちをねぎらった。

　３年生３人の夏が終わり、部員は３人となり、上原瑠唯外野手（３年）は「一生懸命やって、試合でもやっていけるように頑張って欲しい」と後輩たちを激励。小西柊也内野手（２年）は「少しでも人数を増やしたい」と、すぐ部員探しに取りかかることを誓った。

　今回は部員が足りず、合同チームを組めない場合に、近隣校から選手を借りることができる「単独廃校ルール」が適用された。