ヤクルト・高橋の背中を押した高津監督、石井コーチのゲキ

 「ヤクルト6-0阪神」(30日、神宮球場)

 何度も、何度も汗をぬぐった。361日ぶりに本拠地で見る勝利の景色は、美しかった。ヤクルト・高橋が自己最長の8回3安打無失点で、今季初勝利。「(ファンの思いは)すごく伝わった、すごくうれしかったです」。無数の拍手を独り占めにした。

 七回までは2安打に抑える危なげない投球だった。一番の山場は八回。安打と四球、そして味方のミスで1死満塁のピンチを背負った。声援が背中を押す。「最後の力を振り絞ろうと」。陽川を併殺打に打ち取り、最後の「0」を刻んだ。

 開幕は2軍だった。目標の一つであった開幕ローテ奪取とはいかず、高津監督からは「打者としっかり対戦できるようにしてこい」の厳しい言葉。自らの現在地を受け止め、向き合い、高橋は1から出直した。投球フォームを「足を上げない」新スタイルに修正。1軍への合流をつかむと、石井投手コーチには「やってやれ」とそっと背中を押された。

 再出発の白星だ。今年のテーマは“耐えて、勝つ”。この景色を見るために、2軍スタートという悔しさを乗り越え、さらに1軍でも4試合の時間がかかった。高橋は言う。「すべてに置いて、耐えるですかね。ピンチであったり…。全てに耐えて勝つということです」。

 この日は中学時代にテレビで見ていた藤浪との投げ合いだった。高津監督からは「相手より早くマウンドを降りるな」とのゲキ。期待に応えた成長の108球だった。耐えて、つかんだ今季初白星。本拠地で高橋の笑顔が、カクテル光線に照らされた。

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