中日・大野雄、完投で今季初勝利 国内FA権取得日に快投

 「中日5-3ヤクルト」(31日、ナゴヤドーム)

 また悪い癖が出たか-。ファンにそう思わせたのは一回1死。中日・大野雄がこの試合のわずか4球目で先制ソロを塩見に打たれたからだ。四回にも村上に2ランを浴びたが、10三振を奪って今季チーム初の完投。7戦目での今シーズン初勝利に「うれしいけどそんなに喜べない」と話した。

 五回の打席ではバントを失敗。六回は塩見の打球処理を誤って内野安打にしてしまうなどエースというには怖さを感じさせない部分もあったが、128球を投げ切る意地を見せた。

 残留調整中のナゴヤ球場でかけられた言葉が胸に刺さった。「お前が長いイニングを投げなあかん。何してんねん」「お前は何球投げても最後までいかなあかんのちゃうか」。42歳の山井、39歳の藤井。2軍で牙を研ぐ先輩たちだった。「なかなかこの年齢になると言われない中で、そう言ってくれる人がいるのはありがたいし、大事なこと。無理やと思ってるやつには言わないですから。あれで僕の中で火が付きました」と発奮した。

 この日に国内FA権を取得した大野雄。「とにかくシーズンに集中したい」という言葉通り、ここから勝ち星を増やすべく巻き返す。「1勝3敗とまだ借金がある。勝ち越していきたい」と気を引き締めた。

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