オリックス【きょうは何の日】1990年、来季よりGS神戸へ移転、上田監督勇退へ

 オリックス・宮内義彦オーナーは神戸市内のホテルで会見し、西宮球場からグリーンスタジアム神戸への本拠地移転と球団名変更を発表した。阪急色一掃の中であと1年契約を残す上田利治監督の勇退も必至となった。上田監督はフロント入りする公算が大きい。

 この正式発表の瞬間、まさに阪急を両肩に背負い、ブレーブス=上田のイメージで生き続けた上田監督の続投は絶望的となった。本拠地移転、ブレーブスの愛称まで変更。フロンティア・スピリッツで神戸での展開を模索する新生オリックスにとって「チームの顔である監督が現状のままでは新鮮さがない」という意見が支配的だったからだ。

 宮内オーナーは「買収したときから“西宮がベストか”と考えはしていた。明るさ、斬新さなどなかったものを付け加えたい。移転と監督人事はまったく関係ない。過去のイメージが悪かったとも思っていない。観客動員力不足が大きな動機です。プロ球団は多くのお客さんに見てもらうのが一つの使命」と率直な心情を吐露した。阪急時代から続く西宮球場での慢性的な観客の少なさが移転へとつながったことを認めた。それは連続10年、通算16年目となる上田監督を含めた“古き時代”への大ナタをふるう覚悟のもとだ。

 上田監督は正式発表を受けて「正式に決まると長年親しんだ西宮を移るのは残念で寂しい気持ち。観客動員が十分でなかったことに責任を感じている。(球団名変更は)もろもろのことを考えて素晴らしい球団への第一歩。仕方ないでしょう」と語った。

 当時の紙面では上田監督の後任に長嶋茂雄氏、王貞治氏など大物の名前が挙がったが、結局、巨人OBで神戸市出身の土井正三氏が監督就任、93年まで指揮を執った。

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