オリックス【きょうは何の日】1980年、福本前人未到の800盗塁!

 「阪急5-4近鉄」(1980年9月13日、日生球場)

 阪急・福本豊外野手が一回に三盗に成功し、自己のプロ野球記録を塗り替える史上初の800盗塁を達成した。8月25日にあと1と迫ってから自己初の4連続盗塁失敗。10試合も足踏みを続けた難産の末の到達だった。

 プロ入り12年目、1410試合目での前人未到の大台に達した。この間、1970年から昨季まで10年連続盗塁王。72年にはシーズン106盗塁のシーズン最多記録をマーク。この年の途中から両足に1億円の保険が掛けられた。

 「やったというよりもあまりにもあっけなかった」

 福本節がさく裂する。初回、安打で出塁すると、“800”にピリピリとする井本隆-梨田昌孝のバッテリーに知らん顔。盗塁するそぶりをまったく見せず犠打で二塁に進んだ。

 そこから2死一、二塁となってマルカーノの打席。

 「あの場面は走る場面じゃない。どうせヒットが出ないとかえれないんだから。でもマルカーノの初球は絶対に変化球だと確信があった。井本の態度も二塁と一塁では全然違っていたもの。リーチが掛かって連続アウトやったけど全部、みえみえの場面でセカンドで刺されたからね。セカンドにいたからこそ達成できたと思う」

 福本の読み通りマルカーノの初球は外角へのカーブ。「ハッ」と息をのんだ頃には二、三塁の真ん中を走っていた。この呼吸では刺せるわけはなかった。

 ボールガールに祝福のレイを掛けられヘルメットを取って三塁側のファンに向かって深々と頭を下げた。

 「首脳陣をはじめチームのみんなに長い間迷惑を掛けた。特にファンの人たちには西宮、西京極、大阪、日生とその瞬間を見るために駆けつけてくれた。やっと責任を果たせました」

 1点差勝利の試合終了後には球場内のサロンで祝賀会が開かれた。福本は「これだけ盗塁できたのはその分、出塁できたということ。バッティングの技術を教えてくれた西本幸雄監督に感謝しています」と話した。

 プロ入り当時の監督で厳しい指導で打撃の基礎を築いてくれた師は、このとき相手ベンチにいた。福本は感極まった。

 当日のスタメンは次の通り。

(8)福本 豊

(7)簑田浩二

(D)河村健一郎

(3)加藤英司

(4)ボビー・マルカーノ

(5)島谷金二

(9)小林晋哉

(2)中沢伸二

(6)大橋 穣

(P)山田久志

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