巨人 阿部ヘッド代行の財産になる原監督からの“メッセージ”勇気いるスタメン進言 内田順三氏の視点

 巨人・阿部慎之助2軍監督が1軍のヘッドコーチ代行として、存在感を示している。23日の広島戦では原辰徳監督に起用を進言した若林晃弘内野手が活躍。虫垂炎で入院中の元木大介ヘッドコーチの代役をこなし、将来の監督候補として貴重な経験を積んでいる。この経験がもたらす効果について、デイリースポーツウェブ評論家・内田順三氏に聞いた。

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 ジャイアンツは2位ではいけない。原監督は自身が長嶋監督から学んだ時と同じように、阿部2軍監督にも勝つための采配術を引き継ぎたい思いがあるのだろう。23日の試合で田口をあとアウト2つで完投させなかったのも、勝負に徹しているからこそ。そうした選手起用や采配を隣で見ることは、阿部2軍監督にとってこれ以上ない財産になる。

 23日は若林が活躍したが、起用を進言したのは阿部2軍監督だったという。スタメンの決め方は監督によって異なるが、長嶋監督の場合はコーチがデータや調子、オーソドックスの3パターン、A、B、Cの3通りを用意。最終的にはこの3パターンを見て、長嶋監督が決めていた。

 原監督は進言されたり、アイデアを出されたりするのが好きな性格。コーチの意見を聞きながらオーダーを作っていくが、進言するほうは勇気がいるものだ。こうした緊張感も、阿部2軍監督にとっては貴重な経験になるだろう。原監督もそうしたコーチの気持ちをくんで積極的に声をかけている様子が分かるし、やりやすい空気というものをうまく作っているよね。

 もうひとつ、この期間で阿部2軍監督に効果的なことは2軍の指導者をしていると、目がファーム慣れしてしまうことがある。ファームにずっといる若手を見て「この選手、だいぶ良くなってきたな」と思っていると、けがで降格となった1軍選手の練習を見てレベルの違いに気づかされ、ハッと戻ることがある。今、1軍にいることでそうした感覚も研ぎ澄まされる面もあると思う。

 今、原監督は阿部2軍監督にさまざまなメッセージを送っているはず。先を読む力、野球観を学びながら、これからの指導者人生に生かしていってほしい。

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