【ドラ1の逆襲】日本ハム・斎藤佑樹 低迷と故障…希望を信じて進む背水の11年目

 アマ時代に輝かしい成績を残し、ドラフト1位の金看板を背負ってプロの世界に飛び込みながら、壁にブチ当たるなどして苦しみ、伸び悩んでいる選手の今を紹介する『ドラ1の逆襲』。第1回は日本ハムの斎藤佑樹投手(32)。どん底からの復活を目指す“ハンカチ王子”は、右肘故障の影響で昨年、プロ生活で初めて1軍登板がなかった。プロ11年目。野球人生の岐路に立たされているかつての甲子園優勝投手が、かすかな希望を信じて再起を図る。

  ◇  ◇

 「今、自分ができることをしっかりやるしかない」。1月初旬、斎藤佑は千葉・鎌ケ谷のグラウンドを1人黙々と走っていた。昨年に靱帯(じんたい)を断裂した右肘の回復に向け、手術ではなく保存療法での復活を目指している。今は投げることができない。しかし、かつてのように投げられる日が来るのを思い描き、孤独なリハビリを続けている。

 過去の栄光から月日は流れた。06年夏の甲子園大会決勝で田中将大(現ヤンキース)と延長15回、再試合の激闘を制して駒大苫小牧の3連覇を阻止。ポケットにしのばせたハンカチで汗をぬぐう姿が日本中に“佑ちゃんフィーバー”を巻き起こした。早大でもリーグ通算31勝。日本ハムでも1年目の11年には6勝をマークし、翌年には開幕投手も務めた。

 しかし、股関節や右肩を痛めた影響もあり、近年は思い通りの投球ができていない。昨オフに結婚し、生涯の伴侶を得て再起をかけたものの、プロ入り後初めて1軍のマウンドを踏めず、2軍でも登板した19試合で1勝3敗、防御率9・31。「悔しいです」。3年連続で勝ち星を挙げられず、ネット上では去就を問う声も多く聞こえた。

 そんな状況下でも斎藤佑自身は、復活の日が来ると信じている。「最高の結果としては1軍のマウンドに立って、勝ち星を挙げてチームが優勝する。最高の結果として求めていきたい」。右肘さえ治れば…。自分自身の投球に対する自信は揺らいでいない。

 現在は週に一度は通院し、経過を見ながらリハビリに励んでいる。投球再開のメドは立っていないが、肩や胸郭、股関節の柔軟性を高めるトレーニングなど、できることを地道に続けている。「もちろん今季中に復帰したい。悠長なことは言ってられない」。頭に描くのは投げ慣れた札幌ドームのマウンドに立つこと。“その日”が来ると信じて、逆襲の階段を一歩ずつ上がっていく。

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