巨人がウォーカー1人で3失点?外野手の基本動作に疑問符 高代氏「今後も厳しい」
「DeNA3-1巨人」(10日、HARD OFF ECOスタジアム新潟)
巨人は初回の3失点を跳ね返すことなく5連敗となった。その失点に絡んだのは左翼を守ったウォーカーの“稚拙”なプレー。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「今さら弱肩は直せないので今後、2つのプレーを覚えさせるしかない」と語り、捕球体勢の習得と低い送球の徹底を求めた。
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予想されたこととは言え、DeNAにすれば、思惑通りの犠牲フライになったのではないだろうか。
(初回無死満塁の場面。打者・牧の打球は左翼・ウォーカーへの浅い飛球となったが、桑原は迷わずスタートを切り生還。さらに一、二塁の走者もタッチアップで進塁し、一死二、三塁となって攻撃が継続した)
結果的に、残ったほかのランナーまでタッチアップで進塁させたことが、3失点につながったと言える。巨人サイドにすれば痛いプレーだった。
通常、浅い飛球なら自重するものだ。なぜならまだ初回であること。次に無死満塁。そしてクリーンアップを迎えているということ。その3つの条件を考えると動きにくい。
それをスタートさせた。ウォーカーの肩の弱さは周知されていて、おそらくミーティングでも「あそこへ飛んだら刺されてもいいから走らせろ」という指示が出ているのだろう。
また送球が高い、または地面にたたきつける傾向にあるということも情報として共有していたと思う。
3人の走者全員が走っているのは、そういう意識が選手の頭にあるからに違いなく、ほかの球団も同様のことを考えているはずだ。
ではどうすればいいのか。今さら肩を強くするのはムリなのだから、基本動作を徹底するしかないでしょう。
まず捕球体勢。この試合のように捕球してからステップに入るのではなく、助走をつけて捕球し送球に移る。
ウォーカーの送球自体は悪くなかった。しかし、アウトにできないのは捕球姿勢が悪いからだ。
次に同様のケースで三塁以外にも走者がいる場合は、できる限り低い送球を心がけること。つまりカットマンに返すことだ。かなり浅い飛球となったあの距離で捕殺できないのだから、中継せずに1人で殺すのは諦めたほうがいい。
初回、1点が入り、残った2人の走者もソトの左前へのポテンヒットで生還した。
ウォーカーの守備位置が深かったために捕球できなかったのだが、この点は巨人ベンチも織り込み済みだろう。ワンヒットで二塁走者を殺せる肩を持っていない以上、大きめの飛球を処理してもらうしかないからだ。
丸を挟んで右にポランコ、左にウォーカー。ポランコも動作が緩慢で守りに不安がある。
とはいえ得点能力を考えれば、2人とも働いてほしい選手。守備には目を瞑って起用するしかないのだから、今後も厳しい状況は続くだろうね。