「広島１３－３阪神」（２３日、マツダスタジアム）

　大量援護に守られ、広島のクリス・ジョンソン投手（３２）が本来の姿を取り戻した。７回を投げて９安打１失点。開幕戦で４回途中ＫＯされた阪神相手にリベンジを果たし、２勝目をマークした。

　「自分はいつも、やられた相手にやり返そうという強い気持ちでマウンドに上がるんだ。いいモチベーションになったね」

　直球の最速は１４８キロを計測。ゴロを打たせて取る投球は健在で、スピード、球威に加えて、コントロールも申し分なかった。

　白球にエースの意地を込めた。体調不良による長期離脱から１軍復帰した６月９日・楽天戦（Ｋｏｂｏパーク）こそ６回２失点で白星を飾ったが、復帰２戦目の１６日・ソフトバンク戦（マツダ）は５回５失点でまさかのＫＯ。今回の登板までにもう一度、投球フォームを見直した。畝投手コーチと一緒に映像をチェックし、修正点をあぶり出した。２度のブルペン入りではフォームのタイミングや感覚を再確認した。「今回の試合ではそれをしっかり出せた」と納得顔で振り返った。

　冷たい雨に濡れた開幕戦の降板後は球団広報を通してノーコメントを貫いた。だが日中３０度を超えた真夏日のこの夜は、今季初の本拠地お立ち台に登壇。満面に笑みを浮かべて、鯉党へ、完全復活を報告した。