大瀬良5連勝で阪神と今季最大5差 ヒゲ面仁王立ち!カープ連覇へGO!GO!

 「広島5-0阪神」(25日、マツダスタジアム)

 広島の大瀬良大地投手(26)が無傷の5連勝を飾った。7回を8安打ながら無失点と好投し、バットでも四回に3得点の起点となる左越え二塁打を放った。チームは降雨ノーゲームを挟み、2連勝で今カード勝ち越しを決めた。貯金は今季最多の18まで増やし、2位・阪神とのゲーム差も今季最大の5に広げた。

 梅雨の曇り空を吹き飛ばすかのように、大瀬良が吼(ほ)えた。七回2死一、二塁。高山の一、二塁間への打球にマウンドを駆け降り、一塁へベースカバーに走る。白球をグラブに収めてベースを踏むと、跳びはねながら感情を爆発させた。「強い気持ちを持って投げました」。7回を8安打無失点。開幕から無傷の5勝目は粘り強く投げ抜き、つかみ取った1勝だ。

 三者凡退は六回の一度だけ。毎回のように走者を背負った。二回は暴投で二走の三進を許し、三回は2死から上本に二塁打を浴びた。「前回は途中でマウンドを降りた。自分の甘さが出た」。14日・オリックス戦は6回2/3を3失点。七回に踏ん張り切れず、2点を失って降板した。悔しさを力に変え、「強い気持ち」で腕を振り抜き、スコアボードに「0」を刻み続けた。

 150キロ超の直球が右腕の魅力だが、春季キャンプで右脇腹を痛めた影響などから、十分な投げ込みができないままシーズンに入った。力を入れると制球に苦しんだ。痛打もされた。「もう4年目。理想だけを追い求めてはいられない」。今季は岡田や薮田、中村祐ら後輩が続々と台頭。現実と向き合い、モデルチェンジすることが、勝てる投手になる道だと心に決めた。

 「7、8割の力で投げています。バランスを意識した方が、被打率が低いんです」。直球は常時140キロ台中盤。今季全試合でバッテリーを組む会沢とも話し合い、スライダーやカットボールなど変化球の割合を増やした。力でねじ伏せるパワーピッチャーの理想像は捨て、新たな投球スタイルを確立している。

 バットでは四回2死から左越えにエンタイトルツーベースを放った。新人だった14年以来の長打で、この回一挙3得点のきっかけを演出。投打で虎狩りに貢献し、首位快走モードをさらに加速させた。

 リーグ戦再開前から伸ばし始め、石原から「絶対にそるな!」と言われたという顎ひげを手でさすりながら力を込めた。「次の試合も粘り強く投げたいです」。過去は振り返らず、背番号「14」が前へ前へと進んでいく。

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