鯉にはジョンソンがいる 3戦無敗、防御率0・92男に命運託す
「日本シリーズ・第6戦、広島-ソフトバンク」(3日、マツダスタジアム)
広島の投手指名練習が2日、マツダスタジアムで行われ、3日の第6戦に先発するクリス・ジョンソン投手(34)が参加した。現在1勝3敗1分けで、負ければ34年ぶりの日本一は夢と消える。助っ人左腕は緊張感を漂わせ、キャッチボールなど軽めのメニューを終えた。日本シリーズでは無類の強さを誇る男が勝利を手繰り寄せる。
午前11時からの練習。ジョンソンはキャッチボールやダッシュなど、グラウンドで約30分、体を動かした。報道陣の質問には通訳を通し「ノーコメント。明日、試合が終わったら話す」とだけ言い残し、ピリピリムードでロッカーへ引き揚げた。
左肩にかかる期待は大きい。地元で先勝後、敵地・福岡で3連敗。日本ハムと戦った2年前と同様に王手をかけられ、広島に戻ることになった。日本一を成し遂げるためには、もう負けられない。
日本シリーズでの安定感が光る。3試合に登板して2勝0敗、防御率0・92。10月28日の第2戦は7回4安打1失点で勝ち投手になった。柳田を中前打だけに封じるなど3~5番の主軸を単打2本に抑えた。
第2戦後、短期決戦での強さの要因を問われたジョンソンは「いつもと違う球場の雰囲気が集中力を高めてくれる」と言った。負けられない一戦。満員のスタンドが、その背中を大きく後押しするはずだ。
「KJ(ジョンソンの愛称)が自分の投球をしてくれれば勝てる確率は上がる」。休日返上で体を動かした石原は力を込めた。畝投手コーチも「前回同様の投球をしてくれれば」と期待を寄せた。ジョンソンが期待と希望を白星に結びつける。