長野、故郷佐賀でL内海と“絆対決” 元巨人人的補償同士…三ゴロも晴れやか
「オープン戦、西武1-6広島」(2日、みどりの森県営球場)
真剣勝負に敗れたが、駆け足でベンチへ戻る表情は晴れやかだった。巨人から新加入の広島・長野久義外野手(34)が故郷凱旋となった佐賀を舞台に、昨年までともにプレーし、自分と同様にFAの人的補償で西武に移籍した内海と対戦。1打席のみで三ゴロに打ち取られたが「ナイスボールでした」としみじみと語った。
0-0の二回2死走者なし。一球一球にスタンドが沸いた。カウント1-1から左腕のこの日最速だった139キロ直球をファウルとすると、続く4球目。内角スライダーを三塁方向へ引っかけ、「最後は決め球のチェンジアップがくると思っていました」と振り返る。何ものにも代え難い、“絆対決”だった。
試合前練習時には自ら西武ベンチへ向かい、内海にあいさつ。「何を投げるんですか?」とニヤリと聞く場面もあった。一方で同郷の辻監督には「お前、『東京出身』って言ってるらしいな」とチクリとされた長野。特別な空間に、自然と頬も緩んだ。
この日指名打者で出場した背番号5は、五回の2打席目では遊ゴロに倒れ、2打数無安打に終わった。開幕へ向けて始まった3月一発目のオープン戦。内海の奮闘を肌で感じ、佐賀の風に頬をなでられ、気持ちも新たになったはずだ。