九里、今季初勝利 3番手で1回無失点「白星がついたことはよかった」
「阪神2-10広島」(17日、甲子園球場)
やるべき仕事をきっちりやっていれば、必ずご褒美がもらえる。1点ビハインドで七回のマウンドを任された広島・九里亜蓮投手(27)は、1番からの好打順でも臆することはなかった。2死から糸井に四球を与えたものの、後続を断って味方の反撃を待った。
相手の上位打線を封じて意気が上がった三塁ベンチは直後の八回、菊池涼、バティスタの連続適時打で逆転に成功。九里に今季初勝利の権利が転がり込んで来た。
「白星がついたことはよかった」と少し、ほおを緩めた右腕。だが無条件で喜ぶことはしない。「(2死から糸井への)フォアボールがありましたから。あそこでしっかり投げないと」と九里は課題を口にする。
開幕からローテーションを任されたが、3連敗を喫したところで2軍落ち、中継ぎへの配置転換を命じられた。だから今季初勝利を喜ぶよりも、より完璧な投球内容を追いかける。その姿勢を崩さず10日のDeNA戦、14日のヤクルト戦と、中継ぎで結果を積み重ねてきた。
現在、先発を5人で回しているが、今月末から6連戦が4週続く日程が待っている。そこで再び先発枠に割り込むためにも、弾みとなる1勝目であることは間違いない。九里の「行けと言われたところでベストを尽くすだけ」の覚悟が、今は頼もしい。