アドゥワ涙目…五回まで快投も暗転 六回魔さか2ラン2被弾4失点
「DeNA8-5広島」(16日、横浜スタジアム)
激励とともに優しさがあった。6回4失点でKOされたアドゥワは潤んでいた両目を見開いた。勝ち越された直後の七回、4番・鈴木が一時は同点となる20号ソロ。ベンチに戻ると、主砲は最前列で戦況を見つめていたアドゥワの左ほおを軽くたたいた。
「両方ともボクの投げミスです。(これから)なくすしかない」 立ち上がりから196センチの長身から大きく腕を振った。140キロ台の真っすぐにカーブ、スライダーを織り交ぜ、緩急でDeNA打線を封じた。それが暗転したのは六回。三塁すら踏ませていなかったが、アッという間に崩れた。
先頭・筒香に中越え二塁打を許すと、続くソトに初球を左中間場外まで飛ばされた。高めの140キロ真っすぐだった。さらに1死一塁から宮崎を迎えると、またも初球、高めの変化球を左翼席に運ばれた。2被弾で一気に試合をひっくり返されてしまった。
佐々岡投手コーチは「あの回は高めに行った。初球の入り方だった」と残念そうに振り返った。6月29日の同カードでは7回を1失点。好相性だっただけに、悔やまれる。
「序盤が良くても後が悪かったら一緒です」とアドゥワは言った。この夜の2発は忘れない。そして鈴木の“一発”も、必ず今後の糧にしてみせる。