安部サヨナラ弾&バティスタ2発 自力V残った 緒方監督「すごい試合やってくれた」

 「広島6-5中日」(23日、マツダスタジアム)

 広島が今季8度目、2試合連続のサヨナラ勝ちで4連勝を飾った。決めたのは安部友裕内野手(30)だ。5-5の延長十回、先頭で左翼へ決勝ソロを運んだ。中盤から劣勢の展開を強いられたが、三回に先制ソロを放っていたサビエル・バティスタ外野手(27)が九回に起死回生の同点2ラン。一発攻勢で勝利を手繰り寄せた。

 歓喜の打球が左翼スタンドで弾む。逆転のカープを体現し、自力優勝消滅危機を回避した。安部が同点の延長十回に5号ソロを放ち、4時間17分の熱戦にケリをつけた。今季8度目かつ2試合連続のサヨナラ勝利。生還後、ナインにもみくちゃにされたヒーローは、お立ち台で最高の笑顔を見せた。

 「最高です!バティスタが(九回に同点2ランを)打った瞬間『よし!決めたろ』と準備をしました」

 5-5で迎えた十回先頭だった。祖父江の2球目、147キロ直球を振り抜き、左翼スタンドに突き刺した。1-5の六回無死満塁では空振り三振。八回無死一、三塁では1点こそ入ったものの遊ゴロ併殺に倒れていた。それだけに、最後の最後に悔しさをぶつけた。

 土壇場で諦めない姿勢を見せつけた。魅せたのはバティスタだ。2-5の九回に菊池涼が適時打を放ち、なおも2死一塁で打席へ。カウント2-2からの5球目、岡田の変化球を豪快に振り抜いた。グングンと伸びた打球はバックスクリーン左へ着弾。値千金の同点23号2ランとなった。

 「追い込まれていたので、低めに気を付けながら、高めに来た球をコンパクトにポイントを前で振り抜くことができました」。三回には22号先制ソロも放っていたドミニカン。前日には来日中の父・ホセさんと焼肉に舌鼓を打ち、この日の大爆発へとつなげた。

 これでチームは4連勝。興奮冷めやらぬ中、緒方監督も「間違いなく監督をやっていて記憶に残るすごい試合をやってくれた」とナインを称賛。自力優勝については「そういうのはついて回るから。目の前の1試合1試合ですよ」と手綱を引き締めた。借金は2。反撃の夏は、まだ始まったばかりだ。

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