【緒方カープの誤算6】新戦力の台頭、移籍組の活躍が来季への光

 数々の選手の台頭もあり、成し遂げてきた昨季までのリーグ3連覇。広島・緒方孝市監督は「若い力、新しい力が戦力として出てくるかがポイント」と春季キャンプ前から期待を口にしていた。今季はリーグの頂に手が届かなかったが、投打にわたる新戦力の台頭、移籍組の活躍は収穫だった。

 野手ではドラフト1位・小園の奮闘が際立った。球団高卒新人で19年ぶりの開幕1軍をつかみ取った。開幕3戦目の日に出場選手登録を抹消されたが、3カ月後の6月20日・ロッテ戦では、田中広の状態が上がらなかったことや、交流戦3勝9敗1分けで下降気味のチーム状況も踏まえて昇格即先発。プロ初打席初安打を放つなど、指揮官が当時求めたという「新しい風」を吹き込んだ。

 その後一度は降格したものの、再昇格した後半戦は59試合中50試合に先発出場。球団高卒新人記録を塗り替える4本塁打も記録した。走攻守で先輩や首脳陣から学び、経験を積み重ねながら成長し続けている。「これだけやれば十分合格点。将来が楽しみ。何より故障しないできた。体の強さは第一条件」と高ヘッドコーチ。プロでやっていくための資質ものぞかせたシーズンだった。

 三好もまた新たな1軍戦力の一人となった。7月上旬に楽天からトレードで加入。堅実な守備などで貢献してきた。8月20日・ヤクルト戦ではプロ初サヨナラ打もマークしたが、打撃面の課題を自認。迎打撃コーチも「発展途上」と語る。シーズン終了後には広島で初めて迎えるキャンプも控えており、伸びしろも十分だ。

 投手では楽天からトレード加入した菊池保がブルペンに欠かせない存在となった。救援陣で唯一1年間1軍帯同。シーズン終盤はセットアッパーも任された。「ゼロからのスタート。使うにはいいタイミングだった」と、楽天時代はほぼ使ってこなかったシュートも効果的な持ち球となった。佐々岡投手コーチも「中崎や一岡がこういう(不在の)中で、(菊池保が)いなかったら…」と、貢献度を口にする。

 今年1軍デビューした高卒2年目右腕・遠藤も頭角を現した。6月上旬から中継ぎの一角として奮闘。シーズン中盤には「先発も試したいけど、中(継ぎ)が薄くなってしまう」(佐々岡コーチ)と容易に配置転換できない存在にもなった。今月16日に出場選手登録抹消されたが、降格前に「CSでまた戻ってこられるように、はい上がってこい」と将から受けた言葉にも期待が表れている。

 2019年の広島には、来季への確かな光も見えた。=おわり=

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