広島・中村奨成捕手（２０）が２９日、母校・広陵の野球教室に参加し、中井哲之監督（５７）からの来季１軍デビュー指令に応える意気込みを示した。このオフは体重増へ向け、筋力強化と甘い物を中心とした糖質摂取を積極的に行っている。恩師へ吉報を届けるためにも、並々ならぬ決意でプロ３年目に臨む。

　思い出が詰まる母校のグラウンド。少年少女と満面の笑みで交流した中村奨は、恩師の指令に心を新たにした。報道陣を通じて中井監督から送られた来季への言葉は「１軍を一回でも経験すること」。是が非でも応えるべく「（監督への）うれしい知らせになると思う。しっかりやりたい」と意気込んだ。

　入団後１軍出場はなく、悔しさをかみしめて過ごすオフ。体作りとして本格的にジムに通い、「食トレ」にも注力する。就寝前には好物のプリンなど、高糖質食品を意識的に摂取。体重は８１キロとシーズン終了時から２キロの増量に成功し「順調だと思います。今日、何人かの方にも大きくなったと言われましたね」と８５キロを目標に歩を進める。

　このオフは母校にも数回、足を運んでいる。非凡な素質を持つからこそ、恩師からの期待も大きい。中井監督は「今まで通り一番厳しいことを言ってやろうと思います」と予告した一方で「僕が見てきてあんなにセンスがあるヤツはいなかった。あいつならできる」とエールを送る。

　今年の春季キャンプでは序盤に右第一ろっ骨を疲労骨折して出遅れ。来春キャンプへ同じ轍（てつ）は踏みたくない。「去年は痛い目を見ているので。気合を入れてやります！」。１７年度のドラ１が前へ進み続け、デビュー戦へこぎ着ける。