広島・遠藤ワインドアップで躍投 開幕ローテ入りへ「全部のチャンスものにします」

 「広島春季キャンプ」(25日、沖縄)

 力強い直球が戻ってきた。シート打撃に登板した広島の遠藤淳志投手(20)が打者15人を2安打1奪三振に封じた。最速は145キロを記録。「高めの真っすぐでも押せた。球威もあった」と手応えを口にした。

 先頭の鈴木誠を二ゴロ。西川も凡打に打ち取った。一度、ブレークを挟んで一塁に走者を置いた状況では、打撃好調の小園を二飛に仕留めた。直球が復調したことでスライダーも安定。「誠也さんが振ってくれた」と、鈴木誠から空振りを奪う場面もあった。

 試行錯誤した1カ月を笑顔で終えられる。1月にソフトバンク千賀と合同自主トレしたことで、セットポジションから始動するフォームに挑戦した。だが一向に状態が上向かない。指揮官からは「千賀君に失礼」と言われたこともあった。

 10日のブルペンで昨季までのワインドアップからの2段モーションを取り入れた。日を追うごとに好感触を得て「リズムが出る」。期待を寄せる佐々岡監督は「沖縄に来てから状態が上がってきた」と胸をなで下ろした。

 キャンプを26日に打ち上げる。今後、開幕ローテ候補の一人に与えられた登板機会は、決して多くはない。若鯉は「全部のチャンスをものにします」と闘志を燃やした。原点回帰し、躍動感を取り戻した遠藤が、前へ突き進む。

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