広島・薮田、雨中の登板で2回0封 開幕ローテ入りへ前進
「オープン戦、ヤクルト(ノーゲーム)広島」(10日、神宮球場)
広島の薮田和樹投手(27)が10日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)に初先発した。結果的に降雨ノーゲームとなったが、多彩な変化球を織り交ぜ、4番・村上を捕邪飛に打ち取るなど、2回を1安打無失点に抑えた。目標の開幕ローテ入りへ、さらなる歩みを進める。
大雨が降りしきる中、薮田は表情一つ変えず、黙々と目の前の打者を抑えることに専念した。降雨ノーゲームにより、先発で2イニングだけの登板となったが、カットボールを軸にヤクルト打線を翻弄(ほんろう)した。
「変化球は良かった。もっと精度を上げて無駄球を減らしたい」。右腕はさらに安定した制球を自らに課した。
沢崎投手コーチは「テンポも良かったし、球にも強さがあった」と評価。佐々岡監督は「ストライクが先行していて、いろんな球種を投げられていた。(いい投球を)続けられることでチャンスが来ると思う」とさらなる奮起を促した。
現時点で未確定の開幕ローテは3枠。それを床田、アドゥワ、遠藤らと争っている。「シーズンを通してローテで回り、1軍で投げることができれば、信頼は上がると思う」と意気込みを示す。
2017年には15勝を挙げ、勝率・833で最高勝率のタイトルを獲得した。しかし、翌18年はわずか2勝、昨季は未勝利に終わり、悔しさを味わった。「信頼できる投手に」と今季こそ復活を目指している。
開幕は延期が決まったが「直前に自分の調子が上がったので、アピールするチャンスは増えた」と追い風と捉える。前向きな姿勢を貫く背番号「23」は逆転ローテ入りをつかみ、再び輝きを取り戻す。