広島・坂倉フルスイング1号「これまでは迷いがあった」 今季は捕手一本
「オープン戦、ソフトバンク4-4広島」(14日、ペイペイドーム)
無観客のドーム内に響き渡った乾いた打球音は、復調の兆しをつかむ一振りだ。広島・坂倉将吾捕手(21)が八回、右中間席へオープン戦1号となる同点2ランをたたき込んだ。「前の打席がダメだった。中途半端な気持ちで打席に入っていた」。迷いを振り払う、フルスイングだった。
鈴木誠が左越えソロを放って2点差とし、なお1死一塁で出番が来た。岩崎が投じた147キロの直球を完璧に捉える。初回2死満塁では遊ゴロ。続く三回の得点機でも右飛と一本が出なかった。六回も二ゴロに倒れたが、無心で打席に立ち、最高の結果につなげた。
捕手一本で臨む今季は、正捕手の会沢に続く2番手の立場を固めつつある。今春キャンプでも早出練習前に、打撃マシンを使っての捕球練習などを欠かさなかった。
倉バッテリーコーチは「自分がやると決めたことを実行する力がある」と、練習に打ち込む姿勢を高く評価する。打撃も守備も日々の積み重ねが着実にレベルアップにつながっている。
坂倉は、バスへと続く通路を歩きながら前を見据えて言葉を紡いだ。「これまでは迷いがあった。あした以降もホームランを打った打撃を続けていきたい。調整するような立場じゃないし、アピールをしていなかいといけないので」。打てる捕手として、さらなる高みを目指す。