広島・鈴木誠、慢心なし 鯉党スタンドへ豪快弾も「たまたまです」

 広島・鈴木誠也外野手(25)が23日、マツダスタジアムで行われた実戦形式の打撃練習で本塁打を放ち、順調な調整ぶりを示した。

 床田に対し、中前に安打性の打球を放った後の2打席目だった。甘く入った初球のスライダーを捉えた打球は左翼フェンスを越え、スタンドの鯉党から拍手が注がれた。

 主砲は一発について「たまたま、です」と一切慢心はない。まだ“試運転”の段階で、球界を代表するスラッガーが結果に関心を示さないのは、当然と言える。朝山打撃コーチは「ほとんど心配していない」と全幅の信頼を寄せる。

 本人は「変化球への目慣らしと、球場の雰囲気ですかね」と現状のテーマを口にし「練習の力感と、試合の力感は違う」と冷静に分析した。だからこそ、今後は「打席数、対戦をなるべく取りたい」と、生きた投手の球を打席で体感する機会を増やしていく構え。投手との対戦で感覚を養いながら、開幕への調整を重ねていく。

 チーム練習が再開した21日から、スタンドではファンの練習見学が可能になった。「自粛でストレスもたまっていたと思う。少しでも楽になってもらえれば」と背番号1。チームの大黒柱は、抜かりなく準備を進める。

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