広島・大瀬良5失点KO スライド登板「言い訳にできません」敗戦の雪辱誓う

 1回、近本に二塁内野安打を打たれる大瀬良(撮影・田中太一)
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 「広島3-9阪神」(4日、マツダスタジアム)

 偉業達成はならなかった。本拠地開幕戦を迎えた広島は投打が奮わず阪神に敗れ、3連敗。開幕から2試合連続完投勝利の大瀬良大地投手(29)は連敗ストップの期待を背負ったが、8安打5失点で今季最短となる4回で降板。1984年に北別府学氏が達成した球団記録の3試合連続完投勝利は逃した。流れを変える白星を、きょうこそつかみ取る。

 背負った期待を肌で感じ、課せられた役割を誰よりも理解していた。それだけに、ふがいなさが身に染みた。「チームにリズムを持って行けなかった。責任をすごく感じている」。試合後、唇をかむ大瀬良の口からは何度も反省の言葉がこぼれた。今季最短、4回8安打5失点KO。開幕から2試合連続完投勝利。北別府学氏の3試合連続に挑んだが、偉大な先輩に肩を並べることはできなかった。

 初回、2死二塁から4番・マルテを迎え、初球の144キロが甘く入った。相手の主砲は逃してくれず、左中間への先制2ランで出鼻をくじかれた。二回は1死二塁から岩貞の送りバントを処理し、三塁へ送球するもセーフ(記録は犠打野選)。味方の指示に加え、二走・木浪のリードが狭かったことも判断して三塁へ投げたが、送球は浮き「いいところに行けばアウトだった。詰めが甘かった」と悔やんだ。

 序盤の3失点で踏ん張りたかった右腕は四回、連打で無死二、三塁のピンチを招いた。試合を壊しかねない場面で8番・木浪、続く岩貞を連続三振。あと1死奪えば、試合はまだ分からなかった。

 しかし無情にも1番・近本にこの日最速となる150キロを右翼へはじき返された。2点適時打となり、完全に主導権を明け渡した。佐々岡監督は「あそこを、もうひと踏ん張りしてくれたらまだまだ投げられたと思う」と分岐点に挙げた。

 チームは週の前半、神宮でヤクルトに2連敗。2日にはサヨナラ負けを喫し、翌朝に帰広してその日のナイターに備えていた。3日の試合は雨で流れ、自身はスライド登板。「野手も中継ぎも、ギリギリまで戦って移動している。僕よりしんどい。言い訳にできません」。完投続きでの疲労、ズレた登板日のことは一切嘆かず、心身ともにタフな状況で戦う仲間を思いやった。

 指揮官は「開幕から2試合とも完投してくれた。次の登板のことも考えながら『切り替えて次の登板に備えてくれ』と伝えました」と背中を押した。「この悔しさを糧にして、次回頑張ります」と背番号14。マウンドで味わった苦渋は、マウンドで晴らす。

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