広島・大盛プロ初盗塁 赤松2軍コーチに学んだ極意…梅野バズーカも刺せず
「阪神7-6広島」(13日、甲子園球場)
二塁ベースをめがけて広島・大盛穂外野手(24)は懸命に右足を伸ばした。初回、藤浪の153キロ直球を右前に運び、1死後、堂林の打席の3球目にスチール。高い盗塁阻止率を誇る梅野の送球も及ばず、鮮やかにプロ初盗塁を決めた。
「思い切っていこうと。きょうも先頭で勢いをつけるためにも、走れたらいいんじゃないかと思っていた」。思い切りのいい走塁が好機を拡大し、鈴木誠の先制3ランを呼んだ。そして2点を追う四回1死満塁の場面では、自らのバットで同点劇を生み出した。
馬場の135キロスライダーを引っ張り、右翼線へ一時同点となる2点二塁打。「高いボールが来たらしっかり打ちにいくぞという形をつくりながら入りました」と大盛。2度目のマルチ安打は、ともに内容のある一打だ。
持ち味の俊足を生かすため、赤松2軍外野守備走塁コーチから盗塁の極意を教わった。「根拠のある盗塁をしなさいと言われました」。やみくもに走るのではなく、置かれた状況を把握し、有利な条件なのかを吟味した上でスタートを切ることの重要性を学んだ。
チームは敗れたが、育成出身のプロ2年目は「全力でプレーできるような形をつくって勝利に貢献できるように」と意気込んだ。目指すはレギュラー定着。鯉の若きスピードスターがダイヤモンドを駆け回る。