カープ一筋19年…引退の石原慶に惜別の言葉 成長を見守った北別府氏が思い出語る

現役引退会見を開いた広島・石原慶=10月16日
試合前のイベントで北別府氏(左)の投球を受ける石原慶(打者は掛布氏)=2012年8月26日
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 各球団で実績ある選手の現役引退が発表されたり来季構想外が明らかになったりしている。広島では3連覇に貢献した石原慶幸捕手(41)が現役引退を発表、11月7日・阪神戦(マツダスタジアム)で引退セレモニーが行われる。石原慶が入団した2002年に広島の投手コーチを務めていたデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏が、思い出を語るとともに惜別の言葉を贈った。

  ◇  ◇

 石原慶は私と同じ在籍年数19年間、カープ一筋で現役生活を送った。最終的には8月27日のDeNA戦で転倒してケガをしたが、肩が弱ったわけでもなく元気だった。晩年は会沢(翼)との兼用でK・ジョンソンの専属捕手のようになったものの体力的にはまだまだできたと思う。

 捕手が現役を引退するときは、肩が衰えたり慢性的なケガに苦しんだりするものだが、石原慶の場合は会沢が出てきて打撃のいい坂倉(将吾)も成長したことでユニホームを脱ぐことになった様なものだからまだまだやりたい気持ちもあったのではないだろうか。私もまだやれるのではないかと思っていた。まずは19年間、ご苦労さまという言葉を贈りたい。

 彼が入団したとき、私はカープの投手コーチを務めていた。最初のころはおとなしい子という印象が強く、投手に対して「ここに来い」と投手をグイグイ引っ張るタイプでもなかった。入団してしばらくはインサイドを大胆に要求することが少なく、見せ球をうまく使うことができていない、どちらかと言うと遠慮がちなリードだったのが佐々岡、黒田という素晴らしい投手と出逢ったことで強気なリードを実践出来る様になりみるみるうちに正捕手としての実力を付けてきた。

 私が現役時代に女房役を務めてくれた達川(光男)さんは、投手の私もバッターもここでインサイドはないと思っているときにインサイドのサインを出していた。捕手というポジションは打者との読み合いで、年齢を重ねるとともに達川さんのようなリードを身に付けてきた。

 2016年から3連覇をしたが、そのころにはベテランとなり試合途中から「抑え捕手」のような出場も多かった。投手はそれまでの流れもあり試合中に捕手が代わることをあまり好まない。それでも石原慶に代わると若い投手は安心して投げていた。

 投手は試合中に首脳陣から怒られることは滅多になく、怒られるのは捕手ということが多い。投手がサインミスを犯しているのにミスリードだと言われたり要求されたところとはかけ離れた所に投げてしまってもきちんとキャッチしないと怒られる。

 因果な商売だが19年も頑張ってきた。通算1022安打はカープの歴代捕手の中でもトップだと聞いた。打ってリードもでき肩もいい。なかなかできることではない。19年間もマスク越しにいろんな経験をしてきた。その経験を生かし後輩を指導してくれればと思う。本当にご苦労さま。11月7日のセレモニーを楽しみにしています。

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