小渕優子経済産業相 “カネ”で辞任

 小渕優子経済産業相(40)=衆院群馬5区=と松島みどり法相(58)=衆院東京14区=は20日、閣僚を辞任した。小渕氏は関連する政治団体の政治資金の不明朗な支出、松島氏は選挙区内でのうちわ配布をめぐって公選法違反などの問題が指摘され、責任を取った。2012年12月に発足した第2次安倍政権で初の閣僚辞任。安倍晋三首相(60)は辞表受理後の会見で「2人の任命責任は私にある。国民に深くおわびする」と述べたが、9月3日の内閣改造で目玉とした女性閣僚の「同時辞任」が、政権運営に深刻な打撃となるのは確実だ。

 辞表提出後、小渕氏は経済産業省で会見に臨んだ。黒っぽいジャケット姿で現れ、カメラのフッラシュを浴びながら「お騒がせし、ご迷惑をお掛けしたことを国民や後援会、地元群馬の皆さまに心からおわび申し上げる」と述べ、深々と頭を下げた。

 小渕氏の地元群馬県にある政治団体「小渕優子後援会」と「自民党群馬県ふるさと振興支部」は支援者向けに2010年と11年に東京・明治座で観劇会を開催。両団体の会費収入計約742万円に対し、支出が計約3384万円に上ることが政治資金収支報告書から判明していた。差額の約2642万円を政治団体が負担した形になり、有権者への利益供与を禁じた公選法に抵触する恐れが指摘されていた。

 小渕氏は硬い表情を崩さず「子どものころから一緒に過ごしてきた信頼するスタッフに管理していただいた。監督責任が十分でなかった。甘かった」と無念を口にした。

 松島氏は12~14年にうちわ計2万1980本を作製、選挙区内の祭りなどで配った。民主党議員が公選法違反の疑いで東京地検に告発状を提出していた。

 松島氏はトレードマークの赤ではなく白のスーツで法務省での辞任会見に臨み、何度も頭を下げて陳謝した。刑事告発が出たうちわ問題は「もらった有権者が投票しようと判断するようなものではない」と釈明、捜査への協力も表明した。

 小渕氏は衆院当選5回。00年に急死した父親の小渕恵三元首相の地盤を受け継ぎ、26歳で初当選。ママ議員としても注目を集め、08年に最年少の34歳で少子化担当相に就任。09年には現職閣僚として初めて妊娠を公表した。先の内閣改造で2度目の入閣を果たし、最年少で閣僚を務め、将来の首相候補と目されていた。

 松島氏は衆院当選4回。経済産業副大臣を経て、改造で初入閣した。代名詞の真っ赤なジャケット姿の絵が描かれた「うちわ」を選挙区内で配布した問題で追い込まれた。

 安倍首相は20日、経済産業相の後任に自民党の宮沢洋一参院議員(64)、法相の後任に同上川陽子衆院議員(61)を充てる人事を内定した。

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス