【野球】慶大・丸田、中大・東恩納ら1年生が活躍しているワケ 東都担当阪神・吉野スカウト「それだけ昨年の4年生が良かった」

 学生野球の聖地・神宮球場で1年生の活躍が目立っている。第3週が終わり、東京六大学野球の慶大は丸田湊斗外野手(慶応)ら昨夏の甲子園優勝メンバーが躍動。東都大学野球1部では、中大・東恩納蒼投手(沖縄尚学)が開幕2連勝を挙げるなど存在感を示している。起用意図やチームにもたらす効果などを聞いた。

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 春の神宮にフレッシュな風が吹いている。東京六大学、東都リーグ1部で1年生が躍動中だ。

 象徴的だったのは29日の法大-慶大の3回戦。1-1の延長十二回1死、昨夏甲子園で慶応高の107年ぶり優勝に貢献した慶大の1年・渡辺憩捕手が史上初となる代打での初打席サヨナラ弾を放つ快挙を成し遂げた。

 さらに同戦では、同じVメンバーの丸田湊斗外野手と、報徳学園出身・林純司内野手の1年生2人がスタメンに抜てきされた。丸田は14日の東大戦でデビューし、初打席初安打を記録。同戦が初先発だった林は、2回戦に代打で出場して2点適時二塁打を放っている。

 起用について堀井監督は「法政さんの気迫をはね返す力を若い選手に託した」と説明。「上級生は3年間の積み重ねはあるんですけど、フラットな目で見て、それを超えていく力を感じる。すごい1年生」と絶賛した。

 早大・安田虎汰郎投手(日大三)も力を発揮している。開幕戦の13日・立大戦に救援で初登板すると、早大の1年生では2007年の斎藤佑樹以来となる開幕戦初登板初勝利。3回戦でも救援で勝利投手となった。小宮山監督は「予定通り。オープン戦でも、ある程度抑えてくれていましたので、守る選手もベンチも安心して見ていた」と確かな戦力として信頼を寄せる。

 東都リーグで存在感を放っているのは、昨夏の甲子園を沸かせた中大・東恩納蒼投手(沖縄尚学)だ。10日の駒大戦に2番手でリーグ戦初登板すると、6回1/3を無失点で初勝利。17日の国学院戦では初先発して5回1失点で自身2連勝を飾った。清水監督は「あの子が投げてからチームが勢いづいた」とフレッシュな力を実感。二刀流の熊谷陽輝選手(北海)、22年夏に甲子園Vの橋本航河外野手(仙台育英)も1年生ながら先発出場を経験しており「実力があるから使っている。経験が大切」と期待を寄せた。

 1年生たちの実力も確かだが、東都リーグを担当する阪神・吉野スカウトは「それだけ昨年の4年生が良かったからじゃないか」と要因を挙げる。同リーグからは、昨秋ドラフトで史上初の7選手が1位でプロ入り。主戦が抜けたチームを活性化させる意味でも、新戦力の台頭が大きな効果をもたらすと考えられる。

 ドラフト時にプラスに働くこともあるという。例えば、東洋大出身の阪神・村上頌樹投手は「1年生の時に直球だけで抑えていてすごかった」と同スカウト。重要な材料となる4年時は春季リーグがコロナにより中止、秋季リーグは開幕戦で故障と、十分な結果を残せなかった中で「それまでの投球、実績を見ていたので。4年生で急に出てきた選手よりも評価しやすい」と明かした。

 チームの底上げにつながるルーキーの躍動。4年間でどのように成長を遂げるのかにも注目だ。(デイリースポーツ・間宮涼)

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