手術なし性別変更認可、静岡家裁 性的少数者の誤解解きたい

 生殖能力をなくす性別適合手術をしないまま戸籍上の性別を女性から男性に変更するよう求めていた静岡市の会社社長安池中也さん(54)の家事審判で、静岡家裁は24日までに性別変更を認めた。決定は18日付。審判の申し立て後、誹謗中傷のメールなどが届いたといい、安池さんは「講演活動を通じて(性的少数者への)誤解を解いていきたい」と語った。

 安池さんによると、家裁で変更が認められた後、手続きのために訪れた区役所で職員から「おめでとうございます」と声をかけられた。「時代が変わりつつあることを次の世代にも伝えられたら」と意気込む。

 一方で「気持ち悪い」「公共施設を共有するのが怖い」といった内容のメールも多数寄せられたという。

 安池さんは2001年、性同一性障害と診断され、ホルモン治療を開始。今年2月、性別適合手術をせずに戸籍上の性別変更を求める家事審判を申し立てていた。

 性同一性障害特例法には、性別変更の際に生殖能力をなくす手術を事実上求める規定(生殖能力要件)があるが、最高裁は昨年10月に違憲、無効とする決定を出した。

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