阪神の新外国人・キャンベル、まるで別人13発 第1クール計5発だったのに

 「阪神春季キャンプ」(7日、宜野座)

 阪神の新外国人、エリック・キャンベル内野手(29)=前メッツ=が7日、屋外フリー打撃で今キャンプ最多となる13本の柵越えをマークした。明らかに第1クールとは違ったスイングの軌道と強さに周囲もビックリ。ミート中心の中距離ヒッターかと思われていたが、確かなパワーを秘めていた。

 面白いように白球が宜野座の空を舞っていく。きれいな放物線を次々とスタンドへ描いていくキャンベル。79スイングで柵越えは13本。第1クールとはまるで“別人”のような姿に、「日に日に良くなっている」と充実の笑みを浮かべる。

 恒例となった鳥谷、福留とのランチ特打。バットでしっかりとボールを捕まえると、大きなフォロースルーを取って打球を飛ばしていった。3度の連発を含む13本のアーチ。それ以外でも力強く引っ張った打球のほとんどが、フェンス際まで飛んでいた。

 今キャンプで毎日、フリー打撃の相手を務めている中井打撃投手は「今日は明らかに振っていた。いい打球が飛んでたでしょ?外角を力強く持っていった」と変化を明かした。

 第1クール中はコンパクトなスイングでバットの芯に当てることに意識を置いていた。その様子を見て首脳陣はミート中心の打者と認識。長打への期待度は薄かった。しかし、第2クール初日で見せつけた“大変身”。本人は「バットの軌道が良くなってきていると思う。今まで上半身に頼って打っていたのが、体全体を使えるようになってきた」と確かな手応えを口にする。

 その時、ブルペンで投手を視察していた金本監督はスタッフからその事実を伝え聞いた。「らしいね。振ってたのかな?打ってくれるのに越したことはないんだけど。まだそこまで見てないけど、振っていないように見えたけどね。第1クールで最初は疲れるし」と驚きの表情を浮かべる。

 スイングの強さや打球の飛び方は、同じ右打者のマートンをほうふつとさせる。フリー打撃後には宜野座ドームへ場所を移し、黙々と前方からトスしてもらうボールを打ち返したキャンベル。「今はまだ去年のスイングを思い出している段階。いろんなことを考えながら、思い出すことが大事」と練習熱心な姿勢もそっくりだ。

 休養日となった前日は、NFLスーパーボウルでペイトリオッツが終盤の大逆転で5度目の優勝を飾った。来日時に同チームのパーカを着ていたほどの大ファンで「最高の休日だったよ。子供の頃からペイトリオッツに触れる機会が多かったから」と笑う。

 心身ともにリフレッシュを果たし、快音を響かせた新助っ人。「試合の結果が何よりも大事」と言い切る男の力は、まだまだ計り知れない。

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