鳥谷サプライズ登場で藤浪撃ち!遊撃レギュラー奪還へ好発進

 「阪神紅白戦、白組3-2紅組」(8日、宜野座村営野球場)

 阪神の鳥谷敬内野手(35)が、今キャンプ初の紅白戦にサプライズ登場し、藤浪から右前打を放った。当初は出場予定ではなかったが、金本監督からの「9番、空いてるよ」という“リクエスト”に「行きます」と即答し、快音を響かせた背番号1。さすがの対応力を見せ、満員に埋まったスタンドを沸かせた。2月8日の実戦出場はプロ入り4年目の07年以来最速タイ。昨季レギュラーの座を追われたが、奪還への準備は整いつつある。

 ネクストサークルに背番号1が出てくると、球場がにわかにざわつき始めた。白組のスコアボードは打者8人制を採用していたため9番の位置は空白。練習メニューにある紅白戦のメンバー表にも鳥谷の名前はなかった。まさか…。「9番・指名打者、鳥谷」がコールされると、満員の客席から大きな拍手が沸き起こった。

 場面は三回2死走者なし。マウンドに立ったのはWBC日本代表にも選ばれ、早い仕上がりを見せる藤浪だった。それでも2球目、152キロの直球にしっかりと反応。真後ろへ飛ぶファウルでタイミングが完ぺきに合っているところを見せると、続く3球目、甘く入ってきた114キロのカーブをきれいに右翼線へはじき返した。

 実戦初打席、ここまでフリー打撃でも生きたボールを見ていなかったベテランが、緩急差40キロのボールにしっかりと対応。悠然と一塁を回った姿にファンは歓喜の声を上げ、金本監督も大きく手をたたいて目を細める。

 「監督に『9番が空いてるぞ』と言われて、『はい、わかりました』と。打席に入るだけだったので。まぐれです」と笑いながら明かした鳥谷。メイン球場で紅白戦が始まると同時に、福留らと一緒に宜野座ドームでバットを振り込んでいた。

 ちょうど特打を終えた頃に指揮官が現れ、「ちょうど孝介とトリがおったから『どっちか出ろや』って。ファンサービスで。顔見せ、顔見せ」と2人に1打席限定のサプライズ出場を打診。それに呼応したのが鳥谷だった。近くで見ていた球団スタッフによると、さっそうと球場ロッカーへ向かい、ヘルメットと肘当てなどを装着。ものの5分で打席に向かったという。

 「まあ、サプライズで。喜んでくれると思って。打ってくれて余計に喜んでくれてね。藤浪はガクッときてたけど」と笑った指揮官。準備も万全でない中、変化球を打つこと自体も今キャンプ初めてだっただけに「いきなり来た変化球を、いくら高めとはいえ、いくら甘いとはいえ、よう打ったね」と鳥谷の技術を高く評価する。

 本人は「まだどうこう評価する時期ではない」と“初安打”にも冷静な姿勢を貫いた。金本監督は遊撃は競争かの問いに「まあ今のところはね」と言う。激しい定位置争いはここからが本番。本来、あるべき場所を奪回するために-。背番号1は結果を積み重ねる。

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