「練習試合、阪神１－４ＤｅＮＡ」（１３日、宜野座村営野球場）

　阪神・北條史也内野手（２２）が１３日、ＤｅＮＡとの練習試合に「１番・遊撃」で先発出場。直球に振り負けず、今季初の対外試合で３安打を放った。抜け出しを狙う鳥谷との遊撃争い。金本監督は「将来はクリーンアップを打たせたい」と大きな期待を寄せた。

　カラッと晴れ渡った南国の地。太陽が球場を熱く照らす。熱が北條のバットに乗り移ったかのように安打を重ねた。今季初の対外試合で３安打。「タイミングは合っていなかったんですけど、自分のスイングはできたかなと思う」。レギュラー奪取へ最高のスタートを切った。

　ＤｅＮＡの先発は今永。昨季は４打数無安打２三振に抑えられていた天敵だった。１打席目は三ゴロに倒れたが、三回１死で迎えた第２打席に待望の一本が出た。カウント３－２から内寄りに来た１３４キロ直球をコンパクトにスイング。左中間を破る二塁打を放った。

　「追い込まれてから逆方向に意識しながら打てたのでよかったと思う」。シーズン前に左腕に対してのイメージを払しょくできた。

　この一本をきっかけに安打が続いた。１－１の五回２死。２番手・平良の１ボールからの２球目、真ん中高めに浮いた直球を中前へはじき返した。１－４の八回２死で迎えた第４打席にも左翼線を破る二塁打。２ボール１ストライクから、４番手・平田の投じた内角高め直球に力負けせず振り抜いた。「継続してやってきたので、振れた」と手応えを口にした。

　実戦３試合連続安打の打率・５００。「元々、バッティングは安定感がある」とした金本監督は打順にも触れ、「（打撃が）小さくなるようなことはさせたくない。バントをするような２番にも…。将来はクリーンアップを打たせたい。そういう可能性があるから」と、主軸を任せられる打者に育て上げる強い決意を示した。

　北條は「自分の実力を、技術をもっと上げないと（クリーンアップは）打てないと思う」と気を引き締める。だが、「向上心を持ってやっていきます」と指揮官の言葉を意気に感じ、さらなるレベルアップを誓った。

　他球団は警戒を強めた。広島・玉山スコアラーは「去年からさすがという感じ。いつでも打ちにいける体勢で余裕がある。いいバッターの特徴でもあるんですけど」と評価。「要チェックですね」と今後も若虎にアンテナを張り続ける。

　「常にアピールするという気持ちでやっている」と北條。レギュラー奪取、そして主軸打者へ。長い階段を、勢いよく駆け上がる。