高山、打って稼いで走れる3番!2安打2打点1盗塁にGスコアラー警戒

 「練習試合、阪神9-0サムスン」(16日、宜野座村営野球場)

 阪神の高山俊外野手(23)が16日、宜野座で行われた韓国・サムスンとの練習試合に「3番・左翼」で先発出場し、2安打2打点に加え、積極的な走塁も見せた。今季初実戦から3番で起用され続けている昨季の新人王。金本監督は打順についてベテラン組を合わせて考えていく方針だが、視察した巨人の森中スコアラーは開幕後「3番・高山」、「1番・糸井」と機動力が使える並びに警戒感を強めた。

 確かな風格が背番号9の背中から漂い始めた。差し込まれても押し込めるパワー、そしてヒットゾーンへ落とす技術。3番に座った高山が2安打2打点、さらに好走塁でも打線をけん引。中軸の一角で存在感を発揮する姿に警戒心を強めたのが、宿敵・巨人の森中スコアラーだ。

 「去年、新人王を取って飛躍の年だと本人も思っているだろうし。十分に3番を任せられるだけの力がある」。五回先頭で迎えた第3打席、内角高めの変化球にやや差し込まれながらも、左手の強い押し込みで右前に落とした。続く六回2死一、三塁での第4打席は、内寄りの直球を捉えて右中間へ。真っ二つに破る打球ではなかったが、一塁ベースの手前で瞬時に判断し、スピードを落とすことなく二塁を陥れた。

 ダメ押しの2点二塁打、続く原口の中前適時打で一気にホームを踏んだ高山。第3打席の右前打で出塁後は二盗も決め「走塁への意識が高いのが分かるよね。もし、高山が3番に座って糸井が1番なら機動力が上がるし、得点力も上がる。こちらからすれば嫌だよね」と森中スコアラーは分析する。

 昨季、パ・リーグで盗塁王を獲得し、力強いスイングを誇る糸井。長打もスピードもある“超人”がトップに座り、高山が勢いをつけて福留ら中軸へ回す。ライバル球団のスコアラーが想定するのは、糸井の補強と背番号9の成長でガラリと様変わりする打線形態と攻撃パターンだ。

 金本監督は高山の打順について「いや、まだまだ。糸井もトリ(鳥谷)も孝介(福留)も出てないんだから。今のメンバーだとそういう感じだけど」と明かし、今後、ベテラン組と合わせて最善のオーダーを考えていく方針だ。ただ、走塁に関して「積極的に行けたら行けばいい。今、練習しておかないと本番ではそんなに走らせてくれないから」と2年目の飛躍を目指す男の姿勢に目を細める。

 それでも本人は「結果は出て良かったですけど、いい感じではないので」と現状に納得はしていない。指揮官も「まだまだ自分のポイントで打てていない。全部、差し込まれ気味だから」とさらに良化する要素を指摘する。

 試合後には居残り特打で一心不乱にバットを振った高山。信頼して3番を任せられる力がつけば、猛虎打線は間違いなく、生まれ変わる。

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